乱れた電気信号! 体の異常を知らせる「不整脈」にご注意を/やさしい家庭の医学

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病気やけがをしたとき、それに関する用語(病名・症状など)の意味をそもそも知らなかった、なんてことはありませんか? また、時代の流れとともに「ADHD」「ノロウィルス」など新しい用語もどんどん現れています。

書籍『やさしい家庭の医学 早わかり事典』で、病気や健康分野の正しい知識を身につけ、いざというときに役立てましょう。

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脈が早くなったり遅くなったりする状態

「不整脈」

●体の異常を教えてくれる

不整脈」とは、簡単にいうと脈が乱れることをいいます。心臓の筋肉は洞結節(どうけっせつ)という部分で発せられた電気信号によって規則正しく収縮と弛緩(しかん)を繰り返し、血液を送り出しているのですが、何らかの原因によって、そのリズムが乱れることがあります。これが、いわゆる不整脈です。不整脈は心臓病によって起こる場合が少なくありませんが、高血圧や動脈硬化、甲状腺機能亢進(こうしん)症などが原因となることもあります。また、過労や、健康な人でも原因不明で発症するケースも見られます。

不整脈は大きく分けて、頻脈(ひんみゃく)型、徐脈(じょみゃく)型、期外収縮があります。

頻脈型は、通常より脈が速くなる場合です。一般的に、脈は1分間で50~80が正常値とされていますが、1分間に140以上になると危険な状態といえます。なお、脈拍数には個人差がありますので、自分で普段の数値を計っておくとよいでしょう。

徐脈型は頻脈型の逆で、脈がとても遅くなる場合です。軽い場合は症状には出ませんが、病状が進むと1分間に脈が40 以下に低下することがあります。こうなると、アダムス・ストークス症候群のように、心臓から脳へ流れる血液が急減するために発作が起こることになりますので注意が必要です。

期外収縮は脈が飛んだり、リズムが乱れたりするもので、不整脈の中ではもっとも起こりやすい状態をさします。脈が飛ぶと、心臓がドキリとなったと感じたり、胸やのどに不快感を感じたりするようになります。

不整脈になる原因としては、先述のようなもののほか、ストレスによるものとも指摘されています。心臓に一定のリズムを与えているのは交感神経ですが、日常的なストレスによっていつも交感神経が過度に働くことにより、うまく動かなくなってしまいます。それにより、心臓も影響を受けるというわけです。

また、仕事をしすぎることによって睡眠不足に陥(おちい)ったり、乱れた食生活を送ることによって体にストレスを与え、結果的に不整脈となって現れることもあります。不整脈が起こったら、体が何らかの異常を知らせていると捉え、体を休めてあげましょう。

 

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関連記事「不整脈って何? まずは心臓のことをおさらいしましょう/不整脈」はこちら。

中原 英臣(なかはら・ひでおみ)

1945年、東京生まれ。医学博士。ニューヨーク科学アカデミー会員。東京慈恵会医科大学卒業。77 年から2 年間、アメリカ(セントルイス)のワシントン大学にてバイオ研究に取り組む。その後、山梨医科大学助教授、山野美容芸術短期大学教授を経て、現在、新渡戸文化短期大学学長、早稲田大学講師。おもな著書に『ウイルス感染から身を守る方法』(河出書房新社)、『こんな健康法はおやめなさい』(PHP 研究所)、『テレビじゃ言えない健康話のウソ』(文藝春秋)などがある。

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『やさしい家庭の医学 早わかり事典』
(中原英臣[監修]/KADOKAWA)


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この記事は書籍 『やさしい家庭の医学 早わかり事典』からの抜粋です

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