寒い時期のお出かけでは、暖かい服装をしても手足が冷たく、「冷え」を感じることはありますね。温度の高い部屋にいても、「寒い」と感じる人がいます。毎冬、冷えに悩まされている人の中には、「体温が低いから仕方がない」と諦めている人も。でも、上がらない体温には理由があるのです。東京有明医療大学教授の川嶋 朗先生にお聞きしました。
前の記事「ホットドリンクよりも日中の活動量アップと湯たんぽで体温上昇を/冷え対策(3)」はこちら。
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◆食べ物と食べ方
3つのステップで体質改善
1 冷蔵庫から出してすぐのもの、冷たいものはなるべく避ける
2 体温よりも温度の高いもの、温かいものを食べる
3 体を温める食材にこだわる
寒いときに取れるもの、寒い地方で取れるもの、色の濃いもの、味の濃いもの、地中に向かって伸びるもの、水分が少ないもの、発酵食など
◎咀嚼も大事です
温かい食べ物を食べるときには、しっかりかむことも冷え対策では重要になります。1口30回かむと熱を生み出して内臓脂肪が燃えるのです。また、よくかんだ食材は胃腸への負担も軽くして働きを良くします。リラックス効果もあるのでしっかりかみましょう!
◆体を動かす
日常の動きをホンの少しだけきつくする。毎日続けられる程度の手間で
1 洗濯物を干すときに、一度しゃがんでから干す
2 つま先立ちをしてみる
3 モップではなく雑巾掛けにするなど
◆入浴
体を温めるのにいちばん効果的
1 40度以下くらいのぬるめのお湯に
2 20~30分くらいゆっくりつかる
3 半身浴には注意
熱いお湯は体に悪影響を及ぼすので良くありません。ぬるめのお湯に首までつかると全身の血流が良くなって体温を上げる一助に。
温め効果抜群! お手軽グッズ
湯たんぽ
持ち運びしやすい湯たんぽを選び、日中、いすに座っているときなどに腰周りを温めましょう。低温やけどには注意してください。
取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史
川嶋 朗(かわしま・あきら)先生
東京有明医療大学教授、東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当。医学博士。北海道大学医学部卒。米国ハーバード大医学部の総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長などを歴任し、2014年から現職。日本予防医学会理事。