あなたの身体のお悩みに医療法人社団同友会理事長高谷典秀先生が答える「なんでも健康相談」。今回はこんなお悩みに答えます。
Q
食後に貧血症状、息苦しさも
74歳の男性です。私は食事をした後、しばらくすると貧血のような症状を起こすことがあります。目がくらくらしたり、息苦しいような感覚に襲われたりします。
以前、健康診断で血圧が高いといわれ、それ以来、血圧を下げる薬を出してもらい、使用しています。薬のおかげで、長い間悩まされていた頭痛は治まったのですが、その薬の副作用なのでしょうか。それとも、貧血のような症状は食事の後だけですので、食事の内容や食べ方に問題があるのでしょうか。
ちなみに私はタバコを5年前に止めております。お酒は少しですが毎晩飲んでおります。
A
血圧下がりすぎか? 神経反射に伴う症状も
食後に貧血症状を起こすとのご相談ですが、いくつかの可能性が考えられます。
まず、お手紙では高血圧の治療のために薬をもらっているとのことですが、場合によっては、その薬の効果が強く出すぎるために、食後に血圧が下がりすぎている可能性があります。
通常、食事をしている最中は、血圧は上がりますが、食事が終わって、食べたものを消化、吸収するために、血液は腸へと集まります。そのため、体全体としては、血圧が下がることがあるのです。
まずは、食後に貧血の症状が現れた時に、血圧、脈拍を測定してみてください。もし低いようでしたら、主治医に相談をして、血圧を下げる薬を調節してもらってください。また、その場合は、貧血を予防するために、食後は少しの間、横になるとか、あまり満腹になるまで食べ過ぎないようにするなどを心がけてみてください。
それ以外に考えられる原因ですが、神経反射に伴う症状の可能性があります。長時間立ちっぱなしの状態で失神をしてしまうとか、感情が高まったりした時に失神してしまうなどで、人によってはお小水をした際に失神してしまうこともあります。これらは神経調節性失神と言われ、神経の反射によって引き起こされるものですが、失神に至らない程度であれば、それほど心配することはないでしょう。このような場合は血圧や脈拍が低下しているので、先ほど同様、血圧の薬の見直しも必要になります。
それ以外の可能性ですと、手術などで胃を摘出された方で、食後に一過性の低血糖になり、気分が悪くなることがあります。かなり稀なことではありますが、万一状況が当てはまるようでしたら、やはり主治医に相談をしてみてください。(老友新聞社)
高谷 典秀 先生(たかや・のりひで)
医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。
著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。
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