子どもが怪我や病気をしたらどう対応すれば良いでしょうか。すぐに救急? かかりつけ医でOK? わからないことばかりで不安を抱えているパパ・ママも多いはず。そこで今回は小児科医が書いた「ママ・パパ向け 家庭の医学」である『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』を紹介します。著者は「たけつな小児科クリニック院長」で、年間約3万人の子どもを診る小児科医・竹綱庸仁先生。子育ての不安を解消するアドバイスが満載の本書から、内容を抜粋してお届けします。
※本記事は竹綱庸仁 著の書籍『行列のできる子ども健康相談室』から一部抜粋・編集しました。
【前回】夏風邪の原因「アデノウイルス」医師が教える「おうちケア」と「NG行為」
予防接種のなぜ・なに相談室
生後2か月から7か月頃まで、ほぼ毎月、なにかしらある予防接種。
こんなに打たないといけないの? などと疑問に思う人もいるでしょう。
そこで、予防接種に関するお悩みや質問にお答えします。
Q.なぜ、たくさんの種類を打つの?
A.ワクチンごとに、種類と目的が違うからです。
生後2か月から、ヒブ(インフルエンザ桿菌)、肺炎球菌やロタウイルスワクチン、B型肝炎ワクチン、4種混合など、多いと一度に5種類のワクチンを接種します。ワクチンには2種類あり、麻疹・風疹や結核、ロタウイルスや水痘などを弱毒化した「生ワクチン」と、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、4種混合、日本脳炎などの毒性を除いた「不活化ワクチン」の2種類があります。それぞれの病気の菌やウイルスをもとに作っているので、効果がある程度限定されます。
Q.定期接種と任意接種ってなに?
A.任意接種は、希望する人のみ接種します。
就学前に接種する定期接種は、ヒブ、肺炎球菌、B型肝炎、BCG、4種混合、MR、水ぼうそう、ロタウイルス、日本脳炎の9種で、国で推奨しているものです。指定されている期間内は無料で接種できます。対して、任意接種は自費になります。おたふく風邪、インフルエンザなどは任意接種ですが、感染予防、または重症化を防ぐために、なるべく接種することをおすすめします。
Q.麻疹・風疹にかかる人はほぼいないのに受けないとダメ?
A.重症化を防ぐ目的もあるので、接種を。
麻疹(はしか)は脳炎を起こし、妊婦が風疹にかかると胎児に影響が出ることがあります。そのため、全員が幼少期に接種して、国全体で感染を防ぎます。BCGも、近年流行してはいませんが、死亡の危険がある結核を予防するために行うものです。推奨されている予防接種は受けるようにしましょう。
予防接種のスケジュール
生後2か月からスタートする、予防接種。
「1歳の誕生日までに3回」「間隔を27日あけて」など、スケジュール管理でパニックになる人も。そこで、予防接種スケジュールを一覧にしました。目安にしてください。
イラスト/堀川直子