ほとんどの子の「病気デビュー」はコレ!小児科医が教える「突発性発疹」の症状とおうちケア

子どもが怪我や病気をしたらどう対応すれば良いでしょうか。すぐに救急? かかりつけ医でOK? わからないことばかりで不安を抱えているパパ・ママも多いはず。そこで今回は小児科医が書いた「ママ・パパ向け 家庭の医学」である『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』(KADOKAWA)を紹介します。著者は「たけつな小児科クリニック院長」で、年間約3万人の子どもを診る小児科医・竹綱庸仁先生。子育ての不安を解消するアドバイスが満載の本書から、内容を抜粋してお届けします。

※本記事は竹綱庸仁 著の書籍『行列のできる子ども健康相談室』(KADOKAWA)から一部抜粋・編集しました。

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ほとんどの子の「病気デビュー」はこれ

突発性発疹(とっぱつせいほっしん)

かかりやすい時期:通年(※夏にやや多い)
かかりやすい年齢:2歳まで(※原則1回)
潜伏期間:10日程度
回復までの日数:1週間
登園・登校:定めなし
予防接種:なし

突発性発疹は、HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6型)またはHHV-7(ヒトヘルペスウイルス7型)に感染することで発症します。

以前は2歳までにほぼ全ての子どもがかかっていましたが、最近は2歳以上でかかるケースも増えています。

HHV-7の感染による突発性発疹は、2歳以上でもかかり、2回感染する子どももいます。

突発性発疹は、3~5日程度、39~40℃の高熱が持続し、解熱後に全身に湿疹が出ます。

高熱のわりに、比較的元気な子どもが多くみられます。

湿疹は、少し赤みがかった細い網目状でかゆみはなく、数日で消失します。

発熱と湿疹以外に、咳や鼻水、下痢の症状を合併することもあります。


救急or病院 チェックリスト

救急車を→ ★★★ 夜間・休日診療へ →★★☆ かかりつけ医の診察時間に受診→ ★☆☆

□ 39℃以上の高熱があり、水分摂取ができずぐったりしている ★★★
□ けいれんが起きた ★★★
□ 嘔吐を繰り返している ★★☆
□ 発熱が5日以上続いている ★☆☆


治療

突発性発疹に対する特効薬はありません。症状に応じて、解熱剤や抗けいれん薬などを処方します。

おうちケア

●発熱が長引いたら病院へ

突発性発疹の原因はHHV-6とHHV-7によるウイルス感染のため、自身の免疫力で治癒します。しかし、高熱が5日以上持続することもあるため、子どもが元気でも熱が2〜3日続いた場合は小児科を受診しましょう。

●少しずつでも水分摂取を

高熱を伴う発汗などで水分摂取ができない場合には、脱水になるおそれがあります。少しずつでもいいので水分をとることが大切です。

●けいれんしたら救急車を

発熱中にけいれんを起こした場合は救急車を呼びましょう。突発性発疹が引き起こす熱性け
いれんは、15分以上と長時間けいれんが持続したり、手足の震えが左右非対称だったりと、複雑型の熱性けいれんが起こることもまれではありません。

《小児科の診察室から》

突発性発疹は、39℃を超える高熱が出ることもありますが、ミルクの飲みや機嫌がよい場合も比較的多くみられます。一方でとてもぐずる場合もあり、解熱後に湿疹が出て突発性発疹だと診断されることもあります。特に1歳未満で高熱を伴うけいれんが起きた場合は、ただちに小児科医を受診するか、救急車を呼ぶなどで対応しましょう。

イラスト/堀川直子

 

竹綱庸仁

たけつな小児科クリニック院長。小児科専門医、小児科指導医、地域総合小児医療認定医。愛知医科大学医学部卒業後、附属病院で臨床研修医として勤務。ときに「たけつな渋滞」が起こるほどの信頼を得て、年間約3万人の子どもを診るクリニックのほか、共働きの親が病気の子どもを預けられる「病児保育室バンビ」、言語発達遅延を持つ子どもに個別の言語訓練を行う児童発達支援「のびいく」を立ち上げる。

※この記事は『行列のできる子ども健康相談室 0~10歳児の病気とケガのおうちケア』(竹綱庸仁/KADOKAWA)からの抜粋です。
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