血管を若返らせる新習慣。朝昼晩でそれぞれ違う、血管をゆるめる最適呼吸法

健康や若々しさに深くかかわりがあるという血管や血流。でも血管や血流の働きをよくしたいと思っても、どうしたらいいでしょうか? 今回は医師、医学博士の根来秀行(ねごろ・ひでゆき)先生に「血管をゆるめる呼吸」について教えてもらいました。

【前回】免疫力低下・認知症の予防に期待! 毛細血管を増やす新習慣! 入浴で血流を上げよう

呼吸で血管をゆるめる

《朝の呼吸》

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だるさを感じたら「1対1の呼吸」

寝起きでだるいというときには、胸式呼吸と腹式呼吸を1対1で行う呼吸法を。

「最初に速めの胸式呼吸を行うことで交感神経を刺激。俄然やる気がわいてきます。その後の腹式呼吸で副交感神経のスイッチがオン。交感神経と副交感神経の両方に働きかけるため、テンションを適度に上げつつ冷静さも保てます」(根来先生)

1回3分程度

(1)【吐く】背すじを伸ばし、鼻から息を吐き切る(立っても、座ってもどちらでもOK)。
 ↓
(2)【吸う】速めのテンポで鼻から息を吸う。
 ↓  
(3)【吐く】鼻から一気に吐く。
 ※(2)~(3)を4~5回繰り返す

  ▼

(4)【吸う】おなかを膨らませながら3秒間、鼻から息を吸う。
 ↓  
(5)【吐く】おなかを凹ませながら6秒間、鼻から息を吐く。
 ※(4)~(5)を4~5回繰り返す

気分が落ち着く「ベース呼吸法」

副交感神経にスイッチを入れたいときには、吐く息を倍にするだけのシンプルな呼吸法を。

「呼吸が浅いなと感じるときやストレスで気持ちが高ぶっているときには"4秒で吸って8秒で吐く"を意識してください。ポイントは、横隔膜を上下に動かすこと。つまり、しっかりとした腹式呼吸を行うということです」と、根来先生。電車などの移動中にもできるので、ぜひ覚えておきましょう。

いつでも、何度でも

(1)【吐く】姿勢をラクにして座り、鼻から軽く息を吐く(立って行ってもOK)。
 ↓
(2)【吸う】おなかを膨らませながら、4秒かけて鼻から息を吸う。
 ↓  
(3)【吐く】おなかを凹ませながら、8秒かけて鼻から息を吐き切る。
 ※(2)~(3)を気分が落ち着くまで繰り返す

《昼の呼吸》

イライラをリセットする「4・4・8呼吸法」

イライラや緊張、不安を感じたときには4・4・8の呼吸法を。

「ストレスを感じると、脳の視床下部が反応し、不安や恐怖を引き起こす交感神経が優位になりますが、交感神経を上昇させ過ぎないために、この呼吸法が役立ちます。ベース呼吸法に息を止める時間を加えることで、全身の細胞にさらに酸素を届けやすく。5分ほど続けるとしっかり副交感神経が上がります」(根来先生)

必要なときに何度でも

(1)【吐く】いすに座って背すじを伸ばし、腹式呼吸で鼻から2~3回呼吸して息を吐き切る。
 ↓
(2)【吸う】おなかを膨らませながら、4秒かけて鼻から息を吸う。
 ↓ 
(3)【止める】4秒間、息を止める。
 ↓
(4)【吐く】おなかを凹ませながら、8秒かけて鼻から息を吐き切る。
 ※(2)~(4)を2回繰り返す

45~90分に1回、「1分の呼吸休憩」

何かに集中していると深い呼吸は忘れがちになります。そんなときこそ、45~90分に1回、1分程度、呼吸を行うようにすると、全身の毛細血管がゆるみ、末梢の血流がアップすると根来先生。

「1分間の呼吸休憩でおすすめなのは、4秒かけて鼻から息を吸い、8秒かけて鼻から息を吐くベース呼吸法です。これを5回繰り返すようにしてください」

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《腹式呼吸が苦手な人は横隔膜トレーニング》

寝ているだけで横隔膜の可動域が広がるストレッチ。この体操をすることで、息を吸うときに横隔膜が下がりやすくなり、自然と呼吸が深くなります。

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お尻の下にはクッションかバスタオルを置き、お尻が床から5〜10cm上にくるようにする。

(1)仰向けに横になり、ひざが90度になるようにいすに足をのせます。

(2)鼻からゆっくりと横隔膜の動きを感じながら、呼吸をします。何回でもOK 。

《夜の呼吸》

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眠れないときは「10対20の呼吸」を

体は疲れているのに眠れないという日は、10対20の呼吸法を。

「1分間にわずか2回の深い呼吸なので、浅い呼吸が習慣化している人は難しいかもしれません。最初はできる範囲で大丈夫。呼吸に意識を集中するのがポイントです」

10~20分間続ける

(1)【吐く】姿勢を正して座り、下腹部をゆっくり絞るようにして鼻から息を吐き切る(寝ながら行ってもOK)。
 ↓
(2)【吸う】下腹部と肛門の力を抜き、10秒間ゆっくりと鼻から息を吸う。
 ↓ 
(3)【吐く】20秒かけて、ゆっくり鼻から息を吐く。このとき力まないように、首から胸にかけてゆっくり力を抜きながら、細く長い息で吐く。肛門も閉める。
 ※(2)~(3)を自分のペースで繰り返す[20回で約10分]

睡眠中に老廃物を流す「寝る前リンパ呼吸法」

座っている時間が長いなど動かない生活が続くと、リンパが滞り、余分な水分や老廃物、疲労物質などが体に蓄積。疲れやだるさがどんどんたまっていく一方です。

「寝る前に布団の上でリンパ呼吸法を行うと、リンパ液の巡りが良くなり、睡眠中に老廃物をしっかりと流して体外に排出できるようになります。心地よいと感じるだけ行えば、翌朝、すっきりと目覚められます」(根来先生)

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5回×1~2セット

(1)【横になる】全身の力を抜いてひざを軽く曲げた状態で、仰向けに寝転がる。
 ↓
(2)【吐く】鼻から軽く息を吐き切る。
 ↓
(3)【吸う】ゆっくりと鼻から息を吸い、おなかを大きく膨らませる。
 ↓
(4)【吐く】おなかを凹ませながら、長めにゆっくりと鼻から息を吐く。吸った時間よりも長めを意識。

取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 イラスト/moeko モデル/岩本千春(splash)

 

<教えてくれた人>
医師、医学博士

根来秀行(ねごろ・ひでゆき)先生

ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授など。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたる。著書多数。

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『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来が教えるストレスリセット呼吸術』

(根来秀行 /KADOKAWA)

1,650円(税込)

約5万人を対象に調査・分析した結果をもとに、不調から抜け出す方法を考案。最適なタイミングでの8種の呼吸法と、切り替えのスイッチとなる行動のヒントが101種も詰まった一冊です。

この記事は『毎日が発見』2023年2月号に掲載の情報です。
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