「下肢静脈瘤」を治す「3つの治療法」。患者への負担が1番少ない方法は?

足の血管が浮き出る、ボコボコしている、むくみがひどい...。それらの症状は「下肢静脈瘤」が原因かもしれません。放置しておくと重症化する場合もある「下肢静脈瘤」ですが、軽症のうちはセルフケアで何とかなります! そこで今回は"血管の名医"である広川雅之先生の著書『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』をご紹介。自分の症状はセルフケアで治るの? 放っておくとどうなるの? 別の病気の可能性は? 「下肢静脈瘤」に関する疑問を名医が徹底解説します。

※本記事は広川雅之著の書籍『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』から一部抜粋・編集しました。

【前回】足のだるさ・むくみ...「下肢静脈瘤」じゃないかも? 似た症状の病気を解説

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下肢静脈瘤の根本的な治療は大きく分けて3種類

セルフケアで症状が改善しなかった方や、毎日、足のだるさやむくみ、こむら返りに悩まされていて早く解消したい方、また進行してうっ滞性皮膚炎を起こした方には根本的な治療を行います。

治療法は、血管内治療、硬化療法、手術の3種類です。

現在もっとも標準的な治療は血管内治療です。

患者さんの体への負担が小さく、日帰りで行なうことができます。

のちほど詳しく紹介しますが、血管内治療には、血管を焼いて固める血管内焼灼術と、血管を接着させてふさぐグルー治療があります。

硬化療法は、静脈に薬剤を注入して固める治療法です。

比較的軽症の静脈瘤に対して行われます。

また、血管内治療の術後や再発した場合などにも行われます。

手術には、高位結紮術とストリッピング手術の種類があります。

高位結紮術は、足の付け根を切開して血管をしばり、血液の逆流をせき止める方法です。

日帰りで行えるというメリットがありますが、再発が多く、最近ではあまり行われません。

ストリッピング手術は昔の標準的治療で、100年以上前から行われています。

血液が逆流している静脈を、器具で引き抜いて取り去る手術です。

入院が必要な場合があり、血管内治療に比べて若干、体への負担が大きくなりますが、治療する静脈が太い場合や曲がりくねっている場合に行われます。

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上の表は、厚生労働省が発表した日本における下肢静脈瘤の治療数とその内訳です。

平成30年度で約75%が血管内焼灼術、さらにそのうち約74%が外来(日帰り)での治療となっています。

 

広川雅之

東京医科歯科大学血管外科で静脈の病気を専門として診療を行い、内視鏡的筋膜下穿通枝切離術(99年)、日帰りストリッピング手術(2000年)、血管内レーザー治療(02年)など、下肢静脈瘤の新しい治療法の研究・開発を行っている。

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血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方

広川雅之KADOKAWA

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※この記事は『血管の名医が教える 下肢静脈瘤の治し方』(広川雅之/KADOKAWA)からの抜粋です。

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