40代から衰え始める骨を強くし、若々しさを保つポイントは「骨代謝」です。今回は、光伸メディカルクリニック院長の中村光伸(なかむら・こうしん)先生に、「骨代謝の効果を高める食べ方」についてお聞きしました。
【前回】40代から骨は衰え始める...!刺激を与えるだけで骨が若返る「骨たたき体操」
骨代謝の効果を高める食べ方3カ条
1.3食に必ずたんぱく質を
骨の強度を保つコラーゲンはたんぱく質の一種。不足すると骨がもろくなりますが、「骨粗鬆症の女性はほぼ100%、たんぱく質不足」と、中村先生。1日の必要量は体重1kgあたり約1.0g 。体重50kgなら約50gは必要ですが、1日のうち1食でも食べないと、十分な量を摂るのは難しくなります。1日3食を規則正しく食べ、毎食必ず卵や肉、魚、乳製品、大豆製品などを摂ることを心がけましょう。
2.カルシウムをビタミンK、Dと併せて摂る
骨の主成分であるカルシウムを摂取するには、1日コップ1杯の牛乳を摂ると良いですが、実はカルシウムだけ摂っていても骨は強くなりません。腸でカルシウムの吸収を促すビタミンD(さけ、しらす干し等)、カルシウムを骨に沈着させるビタミンK(納豆、ほうれん草等)も併せて摂ることが大切です。
3.細胞の機能を高める亜鉛も忘れずに
亜鉛も不足しがちな栄養素の一つ。中村先生によると「亜鉛は細胞間の連絡機能を促す働きがあります」。つまり、不足すると、骨細胞が骨芽細胞に出す「骨を作れ」という指令や、骨芽細胞と破骨細胞のやりとりなどが滞る可能性があります。かき、赤身の牛肉、ごま、レバーなどに多く含まれています。
骨のことが気になったら整形外科で検査を
骨の状態を知る検査にはX線の他、婦人科に多い超音波を使ったものがありますが、中村先生は、精度が高い「全身DXA(デキサ)法」をすすめています。
これは2種類のX線を腰や足の付け根、腕に当て、骨密度を測定する方法で、多くの整形外科で受けることができます。
また、自治体が骨密度の検診を実施している場合もあります。
「骨の老化は自覚症状がないもの。折れて初めて気付く前に、45歳を過ぎたら一度検査を受けましょう」
取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/秋葉あきこ