更年期に「エストロゲン」が急激に減少して...「骨が弱くなる原因」とは

年齢を重ねると骨のケガが増えてきます。当然、加齢による骨の健康が関与していることは間違いありません。だから、骨を丈夫にするために新陳代謝を促すことは必要不可欠なことです。光伸メディカルクリニック院長 医学博士の中村光伸先生に骨が弱くなる原因について教えていただきました。

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骨が弱くなる原因はエストロゲンの減少

骨量は20 歳前後をピークに、特に40歳ごろから減少していきます。

骨は古くなった部分を自ら溶かし、カルシウムを補給することで再構築をしています。

こうした新陳代謝が骨を強く、新しく生まれ変わらせています。

この新陳代謝のバランスが崩れると骨粗鬆症の可能性が高まります。

例えば、更年期に起こる女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少は、骨粗鬆症の最大の原因だと言われています。

「女性は男性より多くのエストロゲンが分泌されていますが、更年期になるとその分泌が10分の1にまで減ってしまいます。すると、骨の新陳代謝のバランスが急激に悪くなります。これが女性の骨粗鬆症の原因です」と、中村先生。

骨の正しい新陳代謝とは、破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく働くこと。

当然、破骨細胞が強くなると骨はもろくなります。

加齢によって細胞の働きが悪くなりますが、骨を形成するカルシウム不足は食事で解決ができます。

通常カルシウムの99%は骨と歯に、残りの1%は血液中や組織液、細胞に含まれ、全身の機能を正常に保っています。

カルシウムが不足すると先に血中のものから消費され、さらに骨がカルシウムを血液に補塡して健康を保ちますが、骨そのものは弱まります。

日頃から骨を丈夫にするためには、バランスのいい食事が大切です。

そして、毎日骨をたたいて刺激を与えることもおすすめします。

骨の新陳代謝の仕組み

破骨細胞の働き
古くなった骨は破骨細胞によって溶かされ、カルシウムが血液中に出ます。これを「骨吸収」と言います。

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骨芽細胞の働き
新しい骨を作る骨芽細胞が、溶けた部分に再びカルシウムを補給します。これを「骨形成」と言います。

【骨の新陳代謝のバランスが崩れると...】
骨吸収によって溶けた部分を新しい骨で埋める骨形成が足りなくなり、骨の量が減ります。原因は加齢や閉経などです。

【骨の新陳代謝がバランスよく働くと...】
健康な骨をキープできます。特に成長期には破骨細胞よりも骨芽細胞が活発になるため、骨の量は増えていきます。

【まとめ読み】特集「60秒骨たたき」記事リスト

取材・文/木之下潤 撮影/齋藤ジン イラスト/角 裕美 モデル/永谷佳奈

 

<教えてくれた人>

光伸メディカルクリニック院長 医学博士
中村光伸(なかむら・こうしん)先生

整形外科医の知見から骨の仕組み、体の動かし方を生かした骨トレーニングを提唱する骨の専門医。近年、注目されるホルモン「オステオカルシン」を研究し、骨の強化と全身機能回復を両立する「骨たたき」を考案。

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『医者が考案した骨粗しょう症を防ぐ1分間骨たたき』

(中村光伸/アスコム)

骨の専門医が考えた丈夫な骨を作るための一冊。骨粗鬆症の仕組みから骨の再構築化、骨折の原因、骨を強くするトレーニングに関する内容まで、全5章の中に骨の情報がたくさん詰まっている。

この記事は『毎日が発見』2020年6月号に掲載の情報です。

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