生きる上で欠かせない「食」。何をどう食べるかで脳の寿命が変わることが、さまざまな研究により分かってきました。認知症にならず健康な脳を保つために、毎日の食生活を見直してみましょう。脳科学者で分子生物学者の西 剛志(にし・たけゆき)先生に、脳に効く「低GIレシピ」を教えてもらいました。
【前回】「脳寿命を伸ばす」置き換えレシピ。いつもの食材を低GIの食材に変えるだけで抜群の効果が!
《おかずを低GIに》
肉じゃがのじゃがいもと砂糖を置き換え
「里いもの肉じゃが風」
おいしいけれどGI値が高いじゃがいもを、同じようなホクホク感が楽しめて低GIな里いもに置き換え。冷凍の里いもを使えば下処理いらず。
1人分203kcal/塩分1.5g
材料(2人分)
豚ロース薄切り肉...120g
玉ねぎ...1/2個
しらたき...70g
里いも(冷凍)...6個(90g)
細ねぎ...適量
サラダ油...小さじ1
(A)だし汁...1/2カップ
(A)しょうゆ、酒、みりん...各大さじ1
(A)はちみつ(アカシア)...小さじ1
作り方
(1)玉ねぎは薄切りに、細ねぎはななめ薄切りにする。豚肉は食べやすい大きさに切る。
(2)しらたきは下ゆでし、ザルに上げて水気を切り、食べやすい長さに切る。
(3)鍋にサラダ油を熱し、豚肉と玉ねぎを入れて炒める。
(4)豚肉の色が半分程度変わったら、(A)と、凍ったままの里いもとしらたきを加え、落としぶたをして弱めの中火で10分煮る。
(5)落としぶたを取り、ときどき混ぜながら、煮汁が少なくなるまで煮詰める。
(6) 器に盛り、細ねぎをのせていただく。
チキンナゲットのつなぎを置き換え
「チーズインナゲット」
高GIになるポイントである小麦粉のつなぎを粉チーズに置き換え&揚げ衣をなくすことで低GIに。チーズの香ばしさが満足感をアップ。
ボリュームが欲しいときは、オートミールを衣代わりにつけて揚げても美味
1人分212kcal/塩分0.4g
材料(2人分)
鶏ひき肉...200g
粉チーズ...大さじ1
塩、こしょう...各少々
揚げ油...適量
パセリ...適量
作り方
(1)ボウルに鶏ひき肉、粉チーズ、塩、こしょうを入れてよく混ぜ、一口大にまとめる。
(2)揚げ油を170度に温め、中に火が通るまで揚げる。
(3)よく油を切って皿に盛り、パセリを添える。
《主食を低GIに》
(写真上から)
牛丼のご飯と砂糖を置き換え
「牛炒めもち麦丼」
高GIな白米を中GIなもち麦に、調味料の砂糖を低GIなはちみつに、食材を2つ置き換えました。さらにきくらげを加え、食物繊維を増量。
1人分238kcal/塩分1.5g
材料(2人分)
牛薄切り肉...150g
玉ねぎ...1/2個
生きくらげ...25g(乾燥の場合は2g分をぬるま湯で戻す)
もち麦ご飯...茶碗2杯分
サラダ油...小さじ1
(A)しょうゆ...大さじ1
(A)みりん、酒...各大さじ1と1/2
(A)はちみつ(アカシア)...小さじ1
作り方
(1)牛肉は食べやすい大きさに、玉ねぎは薄切りに、きくらげは細切りにする。
(2)フライパンにサラダ油を熱し、きくらげと玉ねぎを入れて炒め、しんなりしてきたら牛肉を加えてさらに炒める。
(3)牛肉に軽く火が通ったら、(A)を入れて味付けする。
(4)丼にもち麦ご飯を盛り、(3)をのせる。あれば細ねぎの小口切り少々(分量外)をのせる。
雑炊のご飯を置き換え
「オートミール雑炊」
高GIな白米を低GI食材に置き換え。オートミールは雑炊にすると食べやすくなります。腹持ちが良いので朝食としても優秀。
1人分146kcal/塩分1.4g
材料(2人分)
(A)オートミール...60g
(A)水...600ml
(A)鶏がらスープの素...小さじ2
(A)カットわかめ(乾燥)...1g
卵...1個
塩...適宜
作り方
(1)(A)の材料を鍋に入れて火にかけ、沸騰したら弱火にして3分煮る。
(2)卵を小さいボウルに割り入れてほぐす。
(3)(1)を中火にして卵を回し入れる。味を見て、塩気が足りないようであれば塩を加えて調える。
《おやつを低GIに》
蒸しパンの小麦粉を置き換え
「おから蒸しパン」
良質な植物性たんぱく質を豊富に含むおからを小麦粉の代わりに入れることで、低GIかつ健康に良いフワフワおやつが完成。
甘さ控えめなので、朝食にもピッタリ
1人分76kcal/塩分0.2g
材料(2人分)
生おから...30g
卵...1個
ベーキングパウダー...小さじ1/3
はちみつ(アカシア)...小さじ2
牛乳...小さじ1
バニラエッセンス...数滴
作り方
(1)茶碗か、同程度の大きさの耐熱容器に全ての材料を入れ、ダマがなくなるまでフォークでよく混ぜる。
(2)ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で2分~2分30秒加熱する。
(3)蒸し上がったらすぐに皿などに取り出して冷ます。
取材・文/和栗 恵 撮影/米山典子 栄養計算/成澤文子 イラスト/カトウミナエ