女性に多い「良性発作性頭位めまい症」を体操で改善/めまい・ふらつきの治し方

現在、日本でめまいやふらつきでつらい思いをしている人はなんと約300万人、そのうち女性は男性の約2.5倍もいるとされています。激しいめまいに襲われるとベッドで安静にする方が多いですが、長年「めまい改善訓練」を患者に教えてきた医師・新井基洋先生によると、実は「寝ているだけではめまいは治らない」のだとか。先生によると、「めまい」や「ふらつき」の原因の9割は「内耳の不調」にあり、その「内耳の不調」を改善する訓練が必要だと言います。そこで今回は、新井先生の著書『全国から患者が集まる耳鼻科医の めまい・ふらつきの治し方』(毎日が発見)より、自分でできる「めまい・ふらつきの改善方法」を連載形式でお届けします。

【前回】めまい・ふらつき克服の実践編。座ってできる訓練とは!?/めまい・ふらつきの治し方

【最初から読む】めまい・ふらつきは寝ていては治らない! 克服の鍵は訓練にあり!?/めまい・ふらつきの治し方

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良性発作性頭位めまい症とは?

・耳が原因のめまいのうち、もっとも患者数が多い
・40~70歳の女性に起きやすい
・寝返りなどの頭を動かす動作で起きる
・数分以内に治まる
・難聴や耳鳴りはない
・再発率が1年以内に20%と高い

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小脳を鍛えるめまい改善訓練が効果的です

全国から患者が集まる医師が教えるめまい克服法とは?

めまいが起こるのはつらいものですが、「その後もずっと寝ていたのでは、治りません」と言う新井先生。

これまで累計25万人の患者に「めまい改善訓練(平衡訓練)」を指導してきました。

その中から、良性発作性頭位めまい症に効果のある訓練の中でめまい全般に効く体操を2つ紹介します。

元気よく声を出して行うのがコツです。

[適応訓練]座って訓練ふり返る

こんな症状を改善!
□人に呼ばれてふり返るとクラッとする
□車庫入れで後ろをふり向くのがつらい

【基本姿勢】

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10往復(計20回)

(10回ゆっくり+10回速く)

クラッとしたら効いている証拠

やり方

●右腕を体の正面に伸ばし、手をにぎって親指を立てる。顔はまっすぐ前を向き、親指の爪を見る。

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●親指の爪を見たまま頭だけを右~左へ30度ひねる。1から20回まで大きな声で数える。女性に多い「良性発作性頭位めまい症」を体操で改善/めまい・ふらつきの治し方 2108_P059_03.jpg

Point
目線は爪に固定!
頭を左右に動かす!

バランスの親分「小脳」を鍛えるのが、めまい改善の近道

良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石という小さな粒がたくさんはがれて三半規管に入り込み、移動してしまうことが原因。

目と耳の反射を鍛える「適応訓練(上)」や、内耳の代わりに目と足の裏からの神経で補う「代用訓練」(下)が効果的です。

「こういった訓練で、小脳を鍛えて平衡機能を高めることで、めまいは改善できます」(新井先生)

[代用訓練]立って訓練 目を開けて

こんな症状を改善!
□まっすぐ歩けない、暗がりを歩くのが怖い
□外出時にめまいが起こるか不安

基本姿勢

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やり方

●両手を肩の高さまで上げ、目を開けてまっすぐ伸ばす。

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●その場で右左と足踏みをする。1から50歩まで大きな声で数える。

※高齢者は転倒防止のため、壁や机を支えに行うと安心。

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Point
太もも(大腿四頭筋)を動かして筋力アップ!

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「グルグル目が回る」「振り向くときクラっとする」「フラついて歩けない」などのつらい症状を改善できます。

 

新井基洋(あらい・もとひろ)
1964年、埼玉県生まれ。横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医、日本めまい平衡医学会専門会員・評議員。北里大学医学部卒業後、国立相模原病院、北里大学耳鼻咽喉科を経て現職。95年に「健常人OKAN(視運動性後眼振=めまい)」の研究で医学博士取得。96年、米国ニューヨークマウントサイナイ病院にて、めまいの研究を行なう。北里方式をもとにオリジナルのメソッドを加えた「めまいのリハビリ」を患者に指導し、高い成果を上げている。

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全国から患者が集まる耳鼻科医の めまい・ふらつきの治し方

新井基洋毎日が発見

長年、「めまい」や「ふらつき」を治療してきた名医が、治し方をやさしく解説します。めまい・ふらつきに悩み全国から訪れる患者に薦めている「改善訓練」をカラー写真で分かりやすく紹介。「良性発作性頭位めまい症」「前庭神経炎」「メニエール病」などの病気の原因と治療法についても詳しく解説しています。

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※この記事は『全国から患者が集まる耳鼻科医の めまい・ふらつきの治し方』(新井基洋/毎日が発見) からの抜粋です。

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