40~70歳の女性に多い「良性発作性頭位めまい症」。小脳を鍛える「めまい改善訓練」で克服!

耳が原因のめまいのうち、もっとも患者数が多く、特に40~70歳の女性に起きやすい「良性発作性頭位めまい症」。今回は、横浜市立みなと赤十字病院 めまい・平衡神経科部長の新井基洋(あらい・もとひろ)先生に、「小脳を鍛えるめまい改善訓練」について教えてもらいました。

良性発作性頭位めまい症とは?

・耳が原因のめまいのうち、もっとも患者数が多い
・40~70歳の女性に起きやすい
・寝返りなどの頭を動かす動作で起きる
・数分以内に治まる
・難聴や耳鳴りはない
・再発率が1年以内に20%と高い

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小脳を鍛えるめまい改善訓練が効果的です

全国から患者が集まる医師が教えるめまい克服法とは?

めまいが起こるのはつらいものですが、「その後もずっと寝ていたのでは、治りません」と言う新井先生。

これまで累計25万人の患者に「めまい改善訓練(平衡訓練)」を指導してきました。

その中から、良性発作性頭位めまい症に効果のある訓練の中でめまい全般に効く体操を2つ紹介します。

元気よく声を出して行うのがコツです。

[適応訓練]座って訓練ふり返る

こんな症状を改善!
□人に呼ばれてふり返るとクラッとする
□車庫入れで後ろをふり向くのがつらい

【基本姿勢】

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10往復(計20回)

クラッとしたら効いている証拠

やり方

●右腕を体の正面に伸ばし、手をにぎって親指を立てる。顔はまっすぐ前を向き、親指の爪を見る。

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●親指の爪を見たまま頭だけを右~左へ30度ひねる。1から20回まで大きな声で数える。40~70歳の女性に多い「良性発作性頭位めまい症」。小脳を鍛える「めまい改善訓練」で克服! 2108_P059_03.jpg

Point
目線は爪に固定!
頭を左右に動かす!

バランスの親分「小脳」を鍛えるのが、めまい改善の近道

良性発作性頭位めまい症は、内耳にある耳石という小さな粒がたくさんはがれて三半規管に入り込み、移動してしまうことが原因。

目と耳の反射を鍛える「適応訓練(上)」や、内耳の代わりに目と足の裏からの神経で補う「代用訓練」(下)が効果的です。

「こういった訓練で、小脳を鍛えて平衡機能を高めることで、めまいは改善できます」(新井先生)

[代用訓練]立って訓練 目を開けて

こんな症状を改善!
□まっすぐ歩けない、暗がりを歩くのが怖い
□外出時にめまいが起こるか不安

基本姿勢

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やり方

●両手を肩の高さまで上げ、目を開けてまっすぐ伸ばす。

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●その場で右左と足踏みをする。1から50歩まで大きな声で数える。

※高齢者は転倒防止のため、壁や机を支えに行うと安心。

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Point
太もも(大腿四頭筋)を動かして筋力アップ!

 

<教えてくれた人>
横浜市立みなと赤十字病院 めまい・平衡神経科部長
新井基洋(あらい・もとひろ)先生
1964年、埼玉県生まれ。北里大学医学部卒業後、国立相模原病院、北里大学耳鼻咽喉科を経て現職。北里方式にオリジナルのメソッドを加えた「めまいのリハビリ」を患者に指導し、高い成果をあげている。

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『全国から患者が集まる耳鼻科医のめまい・ふらつきの治し方』

新井基洋KADOKAWA

1,518円(税込)
アメリカでは標準治療となっている平衡訓練に基づき、新井先生が考案した「めまい改善訓練」全20種を紹介する決定版。一つ一つの動きを写真で分かりやすく説明しているので、すぐに自宅で始めることができます。

この記事は『毎日が発見』2021年8月号に掲載の情報です。

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