疲れない立ち方を身につけて体のストレスを減らせば日常から得をする/疲れないカラダ大図鑑

自粛生活により運動不足、また身体動作の制約を受けて体に不調を訴える人も少なくありません。そもそも人間の体は基本的な立ち方、座り方、歩き方があると言います。そこで動作解析の専門家・夏嶋隆さんの著書『疲れないカラダ大図鑑』(アスコム)から体の基本的な姿勢、疲れないカラダのノウハウをご紹介します。

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疲れない基本の立ち方

人間の動作の中で、「立つ」ことはもっとも基本的な動作です。

しかし、これができていない人があまりに多いのが現実です。

悪い立ち方をしていると、立っているだけで疲れてしまったり、自覚していなくても、体に重力のダメージを蓄積させ疲労を誘発したりする原因になります。

また、「立ち方」というのは、案外人に見られているものです。

ビジネスパーソンの方なら、社内での朝礼や、大切な商談の前に、ダラけた姿で立っていると、それだけで評価を落としかねません。

疲れない立ち方をすれば、姿勢も美しく見えます。

疲れない立ち方の基本は、地面に対してまっすぐ垂直に立つことです。

足の真上に骨盤を置き、その上に頭が来るようにします。

耳、肩、骨盤、足が一直線上になるよう、意識するようにしてください。

このとき真上から写真を撮ると、両肩を結ぶ線の中央に頭があり、背中が見えない状態です。

猫背の人は、耳が肩より前に出て、肩が骨盤より後ろにあるため、背中を丸めることでバランスをとっています。

そのときはラクでも、体を支える支持筋が衰えているため、腰に負担がかかり腰痛の原因になります。

見た目も不格好です。

まっすぐ立とうとすると胸を張ってしまう人がいますが、これはいただけません。

胸を張ると、肩の位置が骨盤より後方にずれ、頭が前方に出てしまうため、上半身の重さを分散させることができません。

◆疲れない立ち方をキープするには?

以下を心がけましょう。

・お尻に軽く力を入れる
・胸を張らず、肩を下げ、肩甲骨を背中の中心側に寄せるイメージを持つ
・拇指球を浮かせて、足指を猫の足のようにして踏ん張る
・足を肩幅程度に開き、左右の中心に体の重心が来るように意識する

お尻に軽く力を入れると、自然と骨盤が前に出るため、足の真上に骨盤を置きやすくなります。

胸を張らずに、肩甲骨を寄せる(絞る)ような意識を持つと、体は一直線になりやすいです。

また、足は肩幅程度に開き、足先も軽く開くようにしましょう。

靴を履いていても、足の指に力を入れ、地面を軽くつかむ意識を持つようにします。

猫の足のようなイメージです。

このとき、拇指球(足の裏の親指のつけ根の部分)は靴底につけず、10円玉1~2枚程度浮かせるようにします。

そして、体の重心はつねに、開いた両足の幅と、足の縦の幅がつくる長方形の中に置くようにしましょう。

最初のうちは、普段とは異なる立ち方に戸惑うかもしれません。

しかし、人体の構造的にはこれがもっとも体に負担を与えない自然な立ち方だといえます。

この立ち方ができない人は、体を支える支持筋が衰えてしまっているため、支持筋を鍛えるためにも、意識的にこの立ち方をキープするようにしましょう。

ビジネスの大切なシーンで、猫背であったり、不自然に胸を張ったりしないように、日頃から「疲れない立ち方」を習慣にすることが大切です。

tukarenai-001-051.jpg疲れない立ち方をキープするには、①肩を下げ、②肩甲骨を内側に寄せ、③足指を猫の足のようにして踏ん張り、④肩幅程度に開いた足の左右の中心に体の重心が来るように意識する。

本当に正しい「休め」の姿勢

片足を横に出して、もう一方の足に体重をかけて立っている人の姿をよく見かけます。

学生時代に習った「休め」の体勢です。

駅やバス停で待っているとき、本屋で立ち読みしているとき、オフィスで立ち話しているときなど、腕を後ろで組んでいなくても、足が「休め」になっている人は多いのではないでしょうか。

この「休め」ですが、動作解析をすると、重力の負担はまったく減っておらず、むしろ疲労がたまりやすい姿勢です。

また、いつも同じ足に体重をかけていると、骨盤にゆがみが生じ、体に左右差が生まれてしまいます。

すると、「立つ」だけでなく、あらゆる日常動作がアンバランスになり、疲れが残る原因にもなります。

ただし、「疲れない立ち方」を長時間にわたって行なうのは禁物です。

ずっと静止していることは、それ自体が筋肉疲労を引き寄せる原因になります。

それを回避するため、体の重心を定期的に動かすようにしましょう。

その際は、「休め」のように両足を左右に開くのではなく、足を前後に開くようにしてください。

前後に開いた前足に重心を置き、後ろ足に重心を置く、と交互に繰り返していると、立つのがとてもラクになります。

バレエダンサーの基本姿勢にも足を前後に開く立ち方があります。

足を前後に開いて立つと、左右に広げるのに比べて、体の揺れが目立ちにくいため、公的なシーンでも活用できるでしょう。

【POINT】
tukarenai-001-053.jpg疲労をためないために、体の重心を定期的に動かすことが大切。足を前後に開いて立つと、立つのがラクになり、体の揺れも目立ちにくい。

【次回】疲れる座り方は痛みを誘発する可能性も。疲れない座り方、4つのポイント/疲れないカラダ大図鑑

【まとめ読み】『疲れないカラダ大図鑑』記事リストはこちら!

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間違った体の使い方をすると不調が出やすい。基本的な動作、疲れない体を作る方法など全11章に渡り公開

 

夏嶋 隆(なつしま・たかし)

メディカルトレーナー、動作解析専門家/人間の動作を観察・記録し、科学的アプローチを背景にした「人が本来持つ力を十分に引き出す」指導を行う動作解析の専門家として活躍。アスリートからの支持は絶大で、現役のトップ選手はプロサッカー選手だけでも30名以上いる。

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『疲れないカラダ大図鑑』

(夏嶋 隆/アスコム)

自粛生活が続き、運動不足、身体動作の制約を受けて体の不調を訴える人も増えています。そういう人は疲れやすい体になってしまっているそう。人には体の作りに合った立ち方、座り方、歩き方があり、それが疲れにくい体を手に入れる第一歩。そんな体の基礎を築きたい人のための一冊です。

※この記事は『疲れないカラダ大図鑑』(夏嶋隆/アスコム)からの抜粋です。
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