"いつもの不調"と放置は厳禁! 「胃の不調」セルフチェックと知っておきたい3つのキーワード

胃は丈夫な臓器ですが、不調を侮るのは禁物。ストレス、ピロリ菌、遺伝など、不調の原因は多種多様で、胃がんなどの病気が潜むこともあります。そこで今回は、東京医科大学 消化器内視鏡学 主任教授の河合 隆(かわい・たかし)先生に「『胃の不調』セルフチェックと3つのキーワード」について教えていただきました。

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「胃の不調」セルフチェック

当てはまるかどうか、自分で確かめてみましょう

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胃がもたれる、重く感じる、キリキリする、胸焼けがする...など、胃の不快症状の表現方法は数多く、胃は他の臓器に比べて自覚症状を多く発する臓器といえます。

胃が発する不調のサインを正しく理解し、一つでも当てはまるものがあったら、内科を受診しましょう。

ピロリ菌除菌後にも残る胃がん発症リスク

梅雨の季節は体調を崩しやすく、胃の調子も悪くなることがあります。

低気圧によって自律神経の働きが乱れると、胃酸の分泌量や胃のぜん動運動に影響し、胃もたれ、胃痛などの不快な症状につながります。

家庭や仕事のストレスを抱えているとなおさらでしょう。

中には、「いつものこと」と市販薬で対処する人もいますが、自己判断は禁物です。

「食べることが体を支えるので、胃はとても丈夫な臓器です。80歳以上のご高齢でも、胃の働きはしっかりしている方が多い。ただし、胃がんなどの病気が潜むことがあるため、胃の不調を侮ってはいけません」と河合隆先生。

胃がんの最大の原因は、胃の中に生息するピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)。

日本では高齢になればなるほど保菌率が高いのですが、2013年にピロリ菌除菌の保険適用が拡大し、それ以降、多くの人が除菌治療を受けるようになりました。

健康診断でピロリ菌検査を受けた人や胃内視鏡検査を受けた人は、ピロリ菌を保菌していた場合、除菌治療をすでに受けた可能性が高いといえます。

「ご両親が胃がんを発症して遺伝的に胃がんリスクの高い方でも、ピロリ菌を除菌することで、胃がんのリスクが低下すると報告されています。それほど、ピロリ菌と胃がんは関係が深いといえます。しかし、ご高齢でピロリ菌除菌をした場合は、胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。ピロリ菌による慢性胃炎に伴う萎縮性胃炎を抱えていると、胃がんのリスクは残るのです」と河合先生。

ピロリ菌は胃の粘膜に生息して炎症を引き起こします。

ピロリ菌は除菌しない限り胃にすみ続けるため、胃の粘膜が炎症と修復を繰り返すうちに変性していきます。

それが萎縮性胃炎です。

胃の粘膜が正常に機能しないため、胃酸の分泌量が減るなどして、胃もたれなどにつながります。

「萎縮性胃炎は、正常な粘膜に戻るまでに何年もかかるため、胃の不調に結びつくことに加え、胃がんのリスク要因です。そのため、早めにピロリ菌の検査を受けることをおすすめします。胃がん検診を受けましょう」

知っておきたい「胃の不調」3つのキーワード

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●活性酸素
体内の代謝過程において、さまざまな成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらす。

●モノクロラミン
活性酸素とアンモニアが結びついたもので、胃の粘膜、DNAを傷つける。

●アンモニア
胃の粘膜を傷つける。

●ウレアーゼ
アルカリ性のアンモニアを発生させる。

●白血球
ピロリ菌を攻撃しようとする(免疫反応)。同時に、胃の粘膜が傷つく。

●VacA
ピロリ菌が作り出す、たんぱく。胃の粘膜の表面のたんぱくを傷つける。

1.ピロリ菌

胃の粘膜に生息している細菌。「ウレアーゼ」という酵素を使ってアンモニアを生成し、身の回りをアルカリ性にすることで胃酸を中和しながら生息し、胃の炎症や潰瘍を引き起こします。

2.機能性ディスペプシア

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内視鏡検査では胃の粘膜に異常は見られなくても、胃の不調が生じる病気です。

胃のぜん動運動の低下や、少しの刺激でも症状が出やすいなど原因は多彩といえます。

(1)胃の上部が広がらず、すぐに胃がいっぱいに感じ、痛みがある場合も。

(2)食べ物を十二指腸へ送れず、胃もたれなどが起きる。

(3)胃が知覚過敏になり、胃酸に対して痛みを感じるなどの状態に。

3.非ステロイド性抗炎症薬

NSAIDs(エヌセイズ)という分類に入る薬のこと。

頭痛や腰痛などの痛みを鎮める薬として広く使用されています。

商品名でいえば「アスピリン」「バファリン」「ロキソニン」などです。

【次回】お酒の飲み過ぎや空腹時の薬にも注意! 「胃を健康に保つ」ための生活習慣と、不調の時どうする?

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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>
東京医科大学 消化器内視鏡学 主任教授
河合 隆(かわい・たかし)先生
東京医科大学病院内視鏡センター部長・健診予防医学センター長兼任。1984年東京医科大学卒。医学博士。日本消化器内視鏡学会理事など数多くの学会役職を兼務している。

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この記事は『毎日が発見』2021年6月号に掲載の情報です。
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