20歳から低下する「免疫力」。細胞を元気にし、免疫力アップに効果的な食品やサプリとは?

2020年12月、日本抗加齢医学会は「感染症と免疫」をテーマに講演会を開催しました。感染症予防には免疫力が欠かせませんが、加齢とともに低下するといいます。そこで、免疫力の低下を防ぐ対策法に注目が集まっています。大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学講座 寄附講座教授の森下竜一(もりした・りゅういち)先生に「免疫老化」について教えていただきました。

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いまだ猛威を奮う新型コロナウイルスですが、人によってなぜ症状に大きな差が出るのかは分かっていません。

そこで注目されているのが免疫。

「免疫システムは、異物に対して最初に自然免疫が働き、次に獲得免疫が働く2段構え。しかし、18~20歳ぐらいをピークに免疫は低下していきます」と、森下竜一先生。

免疫低下の原因は、睡眠不足や細胞そのものの老化、ストレス、肥満、腸内細菌叢の異常などさまざまですが、特に加齢で胸腺が萎縮することが大きな一因。

免疫反応の司令塔の役割を担うT細胞(リンパ球の一種)は胸腺で作られ、血液中に放出されます。

ところが、胸腺の萎縮が進むと、T細胞のできる数が減ったり、質が悪くなるため、免疫が老化していくのです。

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予防には、免疫を正常に保つミトコンドリアの働きが重要です。

「ミトコンドリアは、細胞の中のいわゆるエネルギー生産工場。ミトコンドリアが正常であれば、全ての細胞を元気にさせます」。

しかし、ミトコンドリア自体も加齢とともに減少すると森下先生。

では、免疫老化を防ぐ術はないのでしょうか?

「還元型コエンザイムQ10は、活性酸素からミトコンドリアを保護し、エネルギー産生を高めます。食品や機能性食品などを合わせて1日100mg程度摂るといいでしょう」

ミトコンドリアを活性化させて免疫老化を防ぐことが、元気を保つ鍵となりそうです。


免疫とは?

免疫には、もともと体に自然に備わっている「自然免疫」と、生きていく中で獲得する「獲得免疫」の2種類があります。

【自然免疫】
生まれつき体に備わっている働き。自分と自分以外を認識することで、病原体をいち早く認識し、攻撃して排除します。

【獲得免疫】
生きていくうちに獲得する後天的な働き。一度侵入した病原体の情報を記憶し、再び侵入されたときにいち早く対処します。

《免疫力アップには、コエンザイムQ10》

還元型のコエンザイムQ10は、イワシや肉類に含まれる他、オリーブ油やブロッコリーなどでも摂ることができます。ただし、食品のみで十分な摂取は難しいので、サプリメントなどを上手に取り入れるのも有効です。

イワシ:約6.4mg
豚 肉:約3.3mg
牛 肉:約3.1mg
※100g中


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取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) イラスト/坂木浩子 

 

<教えてくれた人>

大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学講座 寄附講座教授
森下竜一(もりした・りゅういち)先生
大阪大学医学部老年病講座大学院卒業、米国スタンフォード大学循環器科客員講師を経て現職。新刊は『防げ!免疫老化 免疫の鍵はミトコンドリア』(エスクリエート)

この記事は『毎日が発見』2021年2月号に掲載の情報です。

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