いびき、寝汗、尿意...睡眠の質を低下させる就寝中の問題。心がけたら簡単にできる「安眠のための改善法」

最近は「睡眠ファースト」という言葉が流行っています。ようするに、きちんと寝ることは脳や体の機能を休め、日中のパフォーマンス向上につながるのだそうです。そこで、睡眠の専門家・白濱龍太郎さんの著書『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンス が1冊で手に入る 熟睡法ベスト101』より、「快眠へ導く生活習慣」や「睡眠の新常識」など質の高い眠りを作るためのヒントをご紹介します。

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いびきは寝る向きを変えるだけで改善する

いびきは、呼吸時に出入りする空気が、のどや鼻などの気道が狭くなっているところを強引に通過する際に音となって発生する物理的な現象です。

生まれつきあごの骨の小さい人、舌やのどちんこ(口蓋垂)の大きい人、扁桃腺の腫れやすい人は、総じて気道が狭くなりがちなためいびきをかきやすく、そこに肥満が加わると、よりいっそう拍車がかかります。

太ると身体のいたるところに脂肪がつくわけですが、首(気道)まわりにも脂肪がつきます。

いびきを治すためには、気道を広げること、あるいは狭くならないように策を講じることが必須です。

完全に治らずとも必ずいびきの症状は改善されます。

しかし、太っている人に「いびきを治すためにやせましょう」といっても、簡単にはいきません。

手っ取り早いのは、睡眠時に横向きに寝る方法です。

寝ているときは全身の筋肉が弛緩するのですが、あおむけの姿勢だと弛緩した舌がのどの奥に落ちる舌根沈下という現象をまねいて、気道の狭小化を促進します。

横向きに寝れば舌根沈下が起こりにくくなり、いびきの回数も音量も圧倒的に下がっていく傾向にあるのです。

わたしはこれまで、横向きに寝ることによっていびきが劇的に改善した人を何人も見てきました。

横向き姿勢の睡眠は、いびきの特効薬になり得るのです。

入眠後は姿勢をキープするのが難しいので、抱き枕を活用するのがおすすめ。

寝ているときでも無意識のうちに横向きの姿勢をとりやすくなります。

それ以外には、口や鼻に貼る医療用のテープも効果的。

いびきは口呼吸が主体になると起こりやすいのですが、これらのテープを使って鼻呼吸せざるを得ない状況を意図的につくるのです。

なお、いびきに無呼吸が合併していると、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

あくまでも睡眠時無呼吸症候群と診断されCPAPやマウスピースなどの治療が開始するまでの方法というのは覚えておいてください。

過剰な寝汗は危険のサイン

発汗とは、暑いときに蒸発する気化熱で体温を下げる機能です。

ですから、空調の調節が悪く、暑過ぎると、当然寝汗をかきます。

また、眠りの仕組みによって汗をかくこともあります。

人は深く眠るときに、深部体温を下げます。

眠るときには暖かくしないと眠れませんが、逆に内臓など身体のなかの温度が下がらないと、ノンレム睡眠が深くならない仕組みになっています。

だから深部体温を下げるために発汗が伴い、寝汗となるのです。

こうした寝汗はほんのわずかで、パジャマやシーツがグショグショに濡れてしまうほどの量ではありません。

ただし、風邪もひいていないのに発汗が多かったり、寝汗のある日が続いたりする場合には、体調になんらかの問題があります。

あまり心配する必要がないのは多汗症の場合。

多汗症とは、緊張やプレッシャーが原因で汗をかきやすくなる症状で、おもに起きているときに症状が出るのですが、まれに怖い夢などを見たときに、夢のせいで身体が緊張し、寝汗となって過剰に汗をかいてしまうことがあります。

また、甲状腺機能亢進症や、女性に多い更年期障害など、ホルモンバランスの乱れによるケースも考えられますが、近年とくに増えていると考えられるのは、自律神経の不調が寝汗に現れるケースです。

睡眠時無呼吸症候群により自律神経不調が起こる可能性もあります。

そんな人にとっての発汗は危険を知らせるサインなのかもしれません。

思い当たるフシがあったら、まずは身体の不調ということで内科などに相談してみるといいでしょう。

寝ているときに何度もおしっこがしたくなるのは「ホルモン」に問題あり

夜中に排尿のため起きなければならないことを夜間頻尿といいます。

日本泌尿器科学会によると、40歳以上の男女の約4500万人が、夜間1回以上は排尿のために起きているそうです。

夜間頻尿は加齢とともに頻度が高くなり、睡眠に支障が出てしまう症状です。

健康的な人の夜間頻尿の原因は、おもに多尿と膀胱容量の減少です。

さらに睡眠障害との相関関係で睡眠中にトイレに起きてしまうこともあります。

夜に多尿になるのは、体内時計が狂うことから起きます。

体内時計が正しく働けば、夜になると抗利尿ホルモンがたくさん分泌され、尿をつくるのを抑制してくれます。

ところが、体内時計が狂うと抗利尿ホルモンの分泌が抑制され、夜中も日中と同じように尿がつくられるため、起きてトイレに行くことになるのです。

また、高血圧、うっ血性心不全、心機能障害などの疾患で多尿になることもあります。

睡眠時無呼吸症候群による自律神経失調により起こることも。

膀胱容量の減少はおもに加齢によるものです。

若い頃は膀胱に伸縮性があり、膀胱が伸びて尿をたくさん溜められます。

しかし、年を取ると膀胱が硬くなり、尿を溜められる量が減るのです。

膀胱が過敏になる過活動膀胱も膀胱量減少の要因になります。

過活動膀胱は、尿が少ししか溜まっていないのに膀胱が勝手に収縮し、尿がいっぱい溜まったと勘違いしてしまう病気です。

前立腺肥大症、脳卒中、パーキンソン病などから起こります。

加齢がおもな原因の夜間頻尿なら、生活リズムの改善が必要です。

それでもよくならなければ医療機関に相談してください。

病気が原因の夜間頻尿は、基礎疾患の治療が欠かせません。

過活動膀胱では、膀胱の勝手な収縮を抑える薬剤が有効です。

【まとめ読み】『熟睡法ベスト101』記事リストはこちら!

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快眠のための生活習慣や、睡眠の正しい知識などを全6章にわたって解説しています

 

白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)
睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長/東京共済病院、東京医科歯科大附属病院を経て、2013年に「RESM新横浜」を開設。睡眠の質や無呼吸症候群などの睡眠にまつわる病気を適切に診断するために最新の医療機器を導入し、日本睡眠学会認定施設として専門医療を提供している。

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『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンス が1冊で手に入る 熟睡法ベスト101』

(白濱龍太郎/アスコム)

睡眠不足はマイナスの感情をもたらすことが明らかになり、日々のパフォーマンスと深く関係していることがわかっています。たとえば、イライラしてストレスがたまり、人間関係に敏感になって睡眠不足に陥る。そんな日頃の負の連鎖も、実は睡眠が関係しているかもしれません。朝昼夜の生活習慣を変えて快眠に導く方法、専門家が解説してくれる睡眠の新常識など、眠りの質を向上させるための情報が詰まった一冊です。

※この記事は『ぐっすり眠れる×最高の目覚め×最強のパフォーマンス が1冊で手に入る 熟睡法ベスト101』(白濱龍太郎/アスコム)からの抜粋です。

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