カカオ70%以上のチョコを1日25g! 閉経後の女性は特に注意したい「動脈硬化」を避ける方法って?

「冷え性で布団に入っても足が温まらず眠れない」「足先のしびれが改善しない」とお悩みの方は、実は足の動脈硬化が隠れているかもしれません。特に、女性ホルモンの影響を受けなくなった閉経後に、足の冷えやしびれがみられるようになったら注意が必要です。東京医科大学循環器内科学分野 准教授の椎名一紀先生に、足の動脈硬化の症状や、日常生活の中でできる予防法などを伺いました。

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最近足が冷たい、しびれる...。それ、足の動脈硬化が始まっているかも

「足に慢性的な冷えやしびれが出る人は、足の動脈硬化が起こっている可能性があります」と、椎名一紀先生。

動脈は、心臓から全身に向かって血液を行き渡らせる役割を担っています。

動脈の壁は、丈夫で弾力性に富んでいますが、老化してくると血管の壁が薄くなり、弾力性も失われていきます。

このような状態を動脈硬化といいます。

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動脈硬化は体中のさまざまな部位で起こる可能性があり、心臓の血管・冠動脈に起こって血栓が詰まるのが心筋梗塞。

脳の血管に起こって動脈が血栓で詰まるのが脳梗塞です。

足の動脈硬化は、下肢閉塞性動脈硬化症(PAD)と呼ばれます。

足の動脈が動脈硬化によって狭窄(きょうさく:血管が細くなる)や閉塞(へいそく:血管が詰まる)を起こすと血液の流れが悪くなり、足先まで栄養や酸素を十分に送ることができなくなってしまいます。

「足の動脈硬化は、足の冷えやしびれといった症状から始まり、歩行中に足が痛くなり、休憩するとまた歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)を引き起こします。さらに進行すると、じっとしていても足が痛くなったり、しびれたりします。最終的には、足に壊疽(えそ)を発症することもあり、注意が必要です。閉経後の女性のほか、喫煙習慣のある人や糖尿病の人もリスクが高いので、思い当たることがあったらすぐに病院で調べてもらってください」(椎名先生)。

病院を受診する場合は、かかりつけがある人は内科へ。

そうでない人は、循環器内科や総合診療科、総合心療内科などがおすすめです。

早いうちに病院に行けば、末梢(まっしょう)動脈の血管を詰まらせる血の塊を溶かす薬剤もあるので、深刻な事態を防ぐことができます。

ただ、問題は足の症状だけではありません。

椎名先生によると、「足の動脈硬化は、心臓や脳など体のどこかで動脈硬化が起こっている可能性を表すサインでもあります。将来、脳梗塞や心筋梗塞などの合併症を起こすこともあります」。

そのため「健康診断などを利用して、日ごろから血圧や血糖値、LDL(悪玉)コレステロールなどの数値をしっかりと把握し、コントロールすることが大切です。

また、人間ドックのオプションを活用して、血管年齢を測ったり、足の動脈硬化の状態を測る血圧測定の検査(ABI検査)を受けるのもいいでしょう」とアドバイスをくれました。

原因は生活習慣の乱れ。まずは食生活の見直しを

動脈硬化を引き起こす原因は、加齢や喫煙、肥満、高血圧、脂質異常症のほか、糖尿病もその一つ。

加齢や体質的なものは避けられませんが、多くは生活習慣の乱れによるものです。

ですから、生活習慣を見直すことで予防も可能です。

では、日常生活の中ではどんなことに気をつけたらよいのでしょう?

「動脈硬化の予防には、まず禁煙。そして、食生活の見直しが欠かせません。高血圧もリスクになるので、減塩を。そして、野菜を多めに摂るようにしてください。動脈硬化を抑える効果があるオメガ3系脂肪酸が豊富な青魚も積極的に摂るといいでしょう。また、ポリフェノールの含まれた食品も動脈硬化の予防におすすめです」。

ポリフェノールには、動脈硬化の原因の一つであるLDL(悪玉)コレステロールが、活性酸素の影響を受けて酸化してしまうことを抑える作用があることが分かっています。

「ポリフェノールは体の中にためておくことはできないので、必要な分を毎日少しずつ摂り続けることが大切。そうすることで、血中のポリフェノールの濃度を一定に保つことができるからです。ポリフェノールが含まれるものには、緑茶や赤ワイン、カカオ含有率70%以上の高カカオチョコレートなどがあるので、食事と一緒に緑茶を飲み、1日に23回に分けて高カカオチョコレートを食べる。夜は赤ワインを1~2杯飲むといった方法がおすすめです。ただし、寝る前にチョコレートは厳禁。チョコレートは日中、活動している合間に食べるようにしてください」。

ちなみに、カカオ70%以上の高カカオチョコレートは、1日25g摂るといいと椎名先生。

LDLコレステロールの酸化抑制だけでなく、血圧を下げる、脳の活性化、便通改善などの効果もあるといいます。

ただし、糖尿病の治療を受けている人は、糖質制限をしていることがあるので、かかりつけ医に相談してください。

早歩きや軽いジョギング。運動習慣をつけて予防を

動脈硬化の予防には、早歩きや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動がおすすめだと、椎名先生。

「下肢閉塞性動脈硬化症になってしまった人の治療にも、運動療法は欠かせません。足が痛むとしても、動かさなければ血流が悪くなり、さらに病気が進行してしまうので、できるだけ歩くことが大切です」

また、足を温めるのもおすすめだと言います。

お風呂に入っているときに足をマッサージすると、血行がよくなり、予防につながります。

また、冷えやしびれがある場合は、一時的ではありますが症状が和らぐでしょう。

「足の動脈硬化の裏には、さまざまな病気が隠れている可能性があります。座骨神経痛や脊柱管狭窄症などに症状が似ているため、動脈硬化と思わずに過ごされて病気が進行してしまうこともあります。初期の段階ならば、治療薬もあり、十分治すことができます。とくに女性の場合は、閉経後に足の冷えやしびれを感じるようになったと気づいたら、早めに医師に相談をして体の状態を確認してください」

いつまでも元気で生活するためには、足の健康が欠かせません。

食事や運動で自分の好きなものを取り入れながら、足のコンディションをいい状態で保つ続けられるよう心がけたいですね。

取材・文/寳田真由美

 

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