コロナ禍での外出自粛などで、いま全国のシニアがフレイル(要介護の前の虚弱状態)の危機にあります。そこで、東京大学高齢社会総合研究機構の教授である飯島勝矢さんの著書『在宅時代の落とし穴 今日からできるフレイル対策』(KADOKAWA)より、自宅でできる感染予防や、要介護予防についてご紹介します。
毎日の食事に「カムカム」を取り入れてオーラルフレイルを予防しよう
口の調子がよくないと、やわらかいものばかり食べ、かたいものを敬遠しやすくなります。
それでは噛む力を鍛えることができず、オーラルフレイルを予防できません。
そこで「カムカム調理」を!
いつもの料理をちょっとかために仕上げたりして、カムカム(噛むこと)を意識しましょう。
たんぱく質をしっかりとり、栄養バランスも考えて、粗食にならないようにすることも大切です。
カムカム調理の4つのポイント
①水分量を少なくする
ご飯は水分をやや少なめにして、いつもよりかたく炊いてみましょう。白米に麦や雑穀を加えて炊くのもおすすめです。
②かたい食材を利用する
かたい食材とは、噛みごたえのある食材のこと。れんこん、ごぼうなどの根菜類、きのこ類、ナッツ類、こんにゃくなどを。
③食材を大きく切る
たとえば野菜なら、厚めの輪切り、太めのせん切り、大きめの乱切りなどにすると、細く、小さく切るより噛みごたえが出ます。
④加熱時間を短く
野菜はさっとゆでたり、手早く炒めたりして歯ごたえを残しましょう。電子レンジで短時間加熱するのもおすすめです。
※詳細は、インターネットで「おうちえ」(http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/?p=4844)を検索。
イラスト/中村知史
要介護の手前の「フレイル」状態を防ぐために自宅でもできる健康法について、5章にわたって分かりやすく解説