緑内障と白内障をご存じでしょうか? いずれも年を重ねた大人女性は注意しておきたい目の病気です。そこで、東京都江戸川区の二本松眼科病院副院長の平松 類先生に、その予防法や最新の治療方法についてお聞きしました。今回は、「白内障のチェック方法」をご紹介します。
70歳以上で90%、80歳以上でほぼ全員がなります
白内障は、目の中でレンズの役割を持つ透明な「水晶体」が加齢により濁り、ものが見づらくなる病気です。
「レンズが曇ったままのカメラで撮影するように、視界がぼやけたり、光が乱反射して見にくくなります。進行すると水晶体が白から黄色、褐色に近くなり、色の組み合わせや濃淡が判別しづらくなります」と、平松先生。
老眼と混同しがちですが、老眼は目のピントが合わず見づらいのに比べ、白内障は近くも遠くも視界全体がかすむのが特徴。
眼鏡をかけても見づらさは改善されません。
白内障は人工の眼内レンズを入れる手術で改善でき、運転免許の更新に必要な「両眼の矯正視力0・7」に満たなくなったときが手術のタイミングです。
「白内障は進行が遅く、手術を受ければ失明することはほぼありませんが、一年に一度は検査を受けましょう。見づらいことを年のせいにして放っておいては、いずれ見え方に悩むことになります」(平松先生)
白内障チェック
[その1]
□ なんとなく見えにくい気がする
□ テレビや映画の字幕が見にくい
□ 離れた人の顔が分かりにくい
□ 長時間の読書が疲れる
□ 太陽の光をまぶしく感じることが多い
□ 階段の上り下りに不安を感じることがある
□ 月が2~3個に見えることがある
□ 以前と色合いが違って見える
□ 右目と左目で見え方が違う
□ 目がなんとなく重く、うっとうしい
□ 黒と紺など似た色の区別がつきにくい
上の11個の項目でチェックがついた項目の数を、以下に照らし合わせてください。
1個以上 ... 要注意
3個以上 ... 可能性が高い
5個以上 ... すぐに病院で受診!
[参考]
こういったチェック方法もあります。以下の文章を問題なく読めるかを確認します(WEB記事ではデバイスによって見え方が異なりますので、あくまで参考にしてください)。
●全て読める人...現在、白内障の心配は低い
●読めない、読みづらい人...白内障の可能性が高い
白内障の人は、白と黄色、黒と濃い青などの組み合わせの判別が難しくなるほか、コントラストがはっきりしないものも見づらくなります。
取材・文/岡田知子(BLOOM) イラスト/ノグチユミコ