「最近、躓きやすくなったなぁ...」なんてショックを受ける前に、躓かないような体を作りませんか?「体操すれば健康は維持できる」と言う医師・中村格子さんの著書『カラダのおくすり体操』(ワニブックス)から、できない動作ができるようになる「機能的なカラダ」をつくるエクササイズを一部抜粋してお届けします。
歩ける力
歩くと痛みや疲れが出てしまうのは、加齢に伴い、最も多くの人が感じることではないでしょうか。
疲れや痛みが出ないまでも、歩く速度が遅くなったり、長い距離を歩けなくなったりするのも老化の現れです。
「歩ける力」が衰えると、買い物や旅行に行くのも億劫になり、行動範囲が狭まっていきます。
そうするとさらに足腰はどんどん衰え、将来寝たきりになるリスクも高まってしまうことに。
ですから、何より鍛えておきたいのが「歩ける力」です。
では、一生自分の足で元気に歩くために一番大切なことは何でしょうか?
それは大またで歩けるように股関節周りの筋力をつけることです。
この力が落ちるとひざ下だけでちょこちょこと狭い歩幅で歩くようになります。
股関節周りには、骨盤から内ももにつながる腸腰筋や、脚の内側の内転筋、お尻の大臀筋などの筋肉があります。
あまり歩かなかったり、ちょこちょこ歩きがくせになっているとこれらが衰え、歩幅が狭まったり場合によっては脚の動きが悪くなり、歩行が困難になるのです。
また股関節の柔軟性も大切。
いつも狭い歩幅で歩いていると股関節自体の可動域が狭くなり、歩く速さが遅くなったり、長い距離を歩けなくなったりします。
歩くのが遅くても問題ないと思うかもしれませんが、歩く速度が速いほど、心疾患死亡率が下がるというデータもあるのです。
ですから、股関節周りの筋肉を鍛え、股関節をよく動かして可動域を広げることが大切。
<レベル1>「歩ける力」をつける「足の前後移動」
股関節の正しい動きをカラダに覚えさせる体操。
寝て行うことで重量の負荷がかからず、股関節を正し い位置で動かしやすくなります。
① 体の左側を下にして横向きに寝て、両ひざを軽く曲げます。左手は手のひらが頭の後ろ側になるように頭の下に置き、右手は胸の前の床に手のひらをついて置きます。腰の下にマウス1個分くらいのすき間を作り、カラダの軸をまっすぐにしましょう。
② そのまま股関節の幅だけ右脚を上げます。骨盤は正面を向けたまま上げましょう。
③ 右ひざを曲げたまま、前に出します。カラダが前に倒れたりしないよう保ったまま、右脚を前に出しましょう。(左右各10回)
④ 次に、右ひざを曲げたまま右脚を後ろに動かします。この右脚を前後させる動きを10回。反対側も同様に。
※レベル2以降のおくすり体操は、書籍内で紹介されています
【最初から読む】スポーツドクターが教える「機能的なカラダ」とは?
健康維持のためにオススメの10の体操が解説されています。自分の体の弱点が分かるチェックシートも