天然の飲む点滴「糀甘酒」。腸内環境を整えて発ガンのリスクも抑える効果が期待できる

「糖質」が大幅にカットされ、さらに免疫力も上がる調味料があるとしたら...。実はあるんです! それが「飲む点滴」とさえ言われ大ブームを起こした「糀甘酒」です。「砂糖を糀甘酒に置き替えるだけで糖質80%オフ、しかも350種以上の栄養成分があるので体の調子が整います」と調味料研究の第一人者・前橋健二さんは語ります。そこで、発酵調味に精通する前橋さんの著書『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』(アスコム)から、「糀甘酒」の効果や使い方、また料理研究家・あまこようこさんと共に考案したレシピの一部をお届けします。

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挙げればキリがない栄養素付いた別名は「飲む点滴」

「糀甘酒」に豊富な栄養素が含まれていることはお伝えし続けていますが、それゆえに名付けられたある別名があります。

「飲む点滴」です。

代表的なものだけでも、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチンの7種類のビタミンB群、トリプトファン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン、ヒスチジン、ロイシンなどの必須アミノ酸、食物繊維、ブドウ糖、オリゴ糖、消化酵素......などなど、枚挙にいとまがありません。

医療現場で実際に使用される点滴に匹敵する栄養と即効力から、このような呼び名が付いた要因になっています。

体に針を刺さずとも点滴を打つことができると考えるならば、まさに飲まない手はないでしょう。

「糀甘酒」のことをよくご存じでなかった方は、名前に「酒」が入っているのにアルコールが含まれておらず、なおかつ栄養満点というところに、きっと驚かれることと思います。

この「飲む点滴」を構成する優秀な成分たちのなかでも、ビタミンB群の働きはひときわ光ります。

ビタミンB1は糖の代謝を促すのに必要なビタミンなので、豊富な糖とビタミンB1がセットで摂れる「糀甘酒」は理想的といえます。

ビタミンB群は人間の体内でつくられないうえに活動で消耗してしまうので、継続して摂取しなければなりません。

その点において、毎日おいしくいただける「糀甘酒」は、とても頼りがいのある存在になってくれると言っていいでしょう。

ビタミンB群に限らず、ビタミン類の特徴は微量でも役割は重要であるということ。

不足すると体調に影響が出るものです。

大量に摂取してもほとんどが体外に排出されてしまうので、必要量摂れれば十分。

「糀甘酒」をガブガブ飲む必要はありません。

少量でも、毎日コツコツ飲んだり、食事にとり入れたりすることを意識するようにしてください。

「糀甘酒」の不溶性食物繊維が発がんリスクを抑える

長年、死因の第1位として、私たちを脅かし続けているがん。

いまだに決定的な治療薬が開発されていない状況で、さすがに「糀甘酒だけを飲んでいれば治る」「飲んでいればがんにならない」と言うことはできません。

ですが、発酵食品である「糀甘酒」にも、発がんリスクを抑える可能性は十分にあります。

同じ発酵食品であるみそには、発がん抑制効果があることがよく知られています。

みそ汁を1日3杯飲む人は、飲まない人に比べて4割も乳がんのリスクが下がるとの研究データがあります。

みそには大豆が使われているので、みその効果はほぼ大豆のおかげ、と考えるのが一般的でしょう。

しかしあまり世間では知られていませんが、実は大豆の効果を強力に引き出しているのはこうじの力です。

「糀甘酒」は米しか使っていませんが、米が秘めている効果はこうじの力で最大限引き出されているはずです。

例えば「糀甘酒」に含まれる抗酸化物質であるエルゴチオネイン、フェルラ酸や抗酸化ペプチドは、こうじをつくる過程で米成分からこうじ菌の働きで生まれます。

細胞が酸化してダメージを受けることは、細胞のがん化への第一歩。

抗酸化物質は体内でできる有害な活性酸素から細胞を守るのに欠かせません。

加熱をあまりしていない手作り糀甘酒だったらこうじの力が残っていますから、「糀甘酒」を料理に使うと食材からも健康効果を引き出してくれることが期待されます。

「糀甘酒」を飲むと腸内環境が良くなり、免疫力がアップすることはすでに述べた通りで、これが発がんリスクを抑える一因になることは容易に想像できます。

また、「糀甘酒」に含まれる不溶性食物繊維は、便の核となって排便を促進する働きがあります。

不溶性食物繊維は大腸で水分を吸って膨らみ有害物質を薄めることと、ぜんどう運動を促し有害物質を排泄させることで、大腸がんのリスクを下げると言われています。

いずれにせよ、重要なのは免疫力をアップさせて、がんをはじめとする病気になりにくい健康的な体をつくること。

そのために、「糀甘酒」は欠かせません。

〝沈黙の殺し屋〟はペプチドパワーで撃退!

世の中には偏った食事内容、不規則な生活、運動不足などがもたらす生活習慣病に悩まされている方がたくさんいらっしゃいます。

そのなかでもとくに問題になっているのが、日本国内の患者数が推定4300万人に上るとされる高血圧です。

心疾患や脳卒中を引き起こす原因となる万病のもとであるにもかかわらず、やっかいなことに目立った自覚症状がない。

気付かないうちに病状が悪化してしまう。

それゆえに、高血圧は〝サイレントキラー〟(沈黙の殺し屋)とも言われています。

血圧を下げるためには、規則正しい生活、適度な運動などが求められますが、なんといっても大事なのは食生活の改善です。

塩分を適度に減らし、栄養バランスを整える。

これが必須になります。

それに加え、降圧効果のある成分を含んだ食品を多く摂るのも効果的と言えるでしょう。

「糀甘酒」には、血圧を下げる効果があるとされる成分がいくつか含まれており、代表的なものとしてペプチドが挙げられます。

血圧の上昇には、アンジオテンシン変換酵素(ACE)という酵素が関わっているのですが、その働きを抑えるACE阻害ペプチドという物質を、こうじがつくり出すことが明らかになっているのです。

月桂冠の研究所では、マウスを使ってこんな実験を行いました。

マウスには塩を与えて血圧の上がる種と上がらない種がいるのですが、上がるほうの種に甘酒を飲ませてみたのです。

すると、血圧が下がることが認められました。

人間でも同様の現象が起こることは、おおいに考えられるでしょう。

誤解なきように断っておくと、「糀甘酒」を飲むと血圧が下がるメカニズムが解明されたわけではありません。

しかしACE阻害ペプチドは、有効成分の有力候補です。

ほかにも、水溶性食物繊維のナトリウム排泄促進も考えられますし、玄米を使った、「糀甘酒」ならさらにGABAの効果も期待できます。

今後研究がさらに進み、「糀甘酒」が高血圧に悩む方々の助けとなることを期待します。

【まとめ読み】『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』記事リストはこちら!

H1_砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案.jpg飲む点滴「糀甘酒」を砂糖代わりに使うとさまざまな健康効果が期待できます。3章では具体的な使い方がわかるレシピ紹介も。

 

前橋健二(まえはし・けんじ)
2016年より東京農業大学応用生物科学部醸造科学科の教授を務め、日本の調味料研究の第一人者として活躍中。発酵における微生物と成分変化、発酵調味料、味の解析や味覚の仕組みなど「発酵」と「味」について多方面から科学的アプローチを続けている。「世界一受けたい授業」など多数のメディアにも出演

あまこ ようこ
テレビや雑誌などを中心に活躍している人気の料理研究家、フードコーディネーター。「料理は人をつなぎ、驚きを与え、夢や希望も運んでくれる」を合言葉に料理を通した健康に役立つ活動を行っている

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『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』

(前橋健二&あまこようこ/アスコム)

飲んでよし! 調味料にするもよし! しかもアルコール0%。江戸時代から庶民に親しまれてきた天然の甘味料「糀甘酒」。その効果に注目し、長年研究を続けてきた発酵食品の第一人者が「糀甘酒」を調味料として扱うメリットや使い方、そして料理研究家と一緒にレシピもまとめた一冊。最近糖質が気になり、食生活改善を目指すあなたにオススメです。

■『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』の紹介動画もチェック!

※この記事は『砂糖の代わりに糀甘酒を使うという提案』(前橋健二&あまこようこ/アスコム)からの抜粋です。
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