結果が出なくて不安。失敗してなかなか立ち直れない...。災害や社会情勢の変化など、最近トラブル続きのメンタルが整わないと思う人も多いはず! そんなメンタルを解消しようと元格闘家・大山峻護さんは運動プログラムを開発。その大山さんが明治大学の堀田秀吾教授とタッグを組み、そのプログラムを科学的なエビデンスとともにまとめた共著『科学的に証明された 心が強くなるストレッチ』(堀田秀吾&大山峻護/アスコム)から、「運動とメンタルの関係性」やそれぞれの心の状態にあったストレッチを一部ご紹介します。
集中力は体を動かしてコントロールする
今回は、集中力を高めるストレッチを紹介します。
まず、覚えていただきたいのは、そもそも集中できないのが人間だということ。
だから、集中できないことに悩む必要はありませんし、それを頭で理解しているだけで、焦ることもなくなります。
人間が集中できないようになっているのは、外敵から身を守るためです。
はるか昔の話ですが、食べることに集中していてまわりが見えなくなっていると、あっという間に敵に襲われてしまう時代がありましたからね。
つまり、集中できないのが普通の状態、人間の本能なのです。
それでは、どうやったら集中力を高められるか。
それには、集中力を呼び覚ましてくれるノルアドレナリン、それを研ぎ澄ましてくれるドーパミンの分泌を増やし、交感神経を活発にすることです。
集中力は目で決まる
脳に入ってくる情報の8割は目からといわれています。
不安や恐怖などのネガティブな情報も目から入ってくることが多くなります。
集中力を高める方法のひとつは、目からの情報をいったん遮断してしまうことです。
さらにすべての感覚まで遮断すると、集中力がより研ぎ澄まされてきます。
もうひとつの方法は、目のはたらきをよくすることです。
目のはたらきがよくなると、脳も心もスッキリします。
これは、アメリカでは当たり前。
日本ではなじみが薄いですが、眼科医とは別に、「オプトメトリスト」という目のはたらきをよくする専門家がいるほどです。
目のはたらきには、視力だけでなく、動くものを視る能力だったり、瞬間的に情報を得る能力だったり、幅広く見渡せる能力だったり、いろいろありますが、まずは眼球をよく動くようにすることです。
眼球が上下左右柔軟に動くようになるだけで、集中力ややる気が出てきます。
▼心に効く「完全脱力」
直前に1~2分間完全に脱力すると、パフォーマンスがアップすることが実証されています。
目を閉じて全身の力を抜く
イスに浅めに座り、腕も足も投げ出します。上を向いたら目を閉じて、そのまま1分程度完全脱力しましょう。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください。
【目安は1分】
▼心に効く「一点集中」
大きな動きができないときや場所を移動できないときは、目だけを使って集中力を高める方法があります。
一点をじっと見つめる
イスに座り、両手は太ももの上におきます。顔を上げて視点を定めたら、そのまま10秒間じっと見続けます。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください。
【目安は10秒】
▼心に効く「眼球ストレッチ」
眼球を上下左右に動かす。目の動きに意識を向けるだけで集中力を取り戻せることがあります。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください。
【目安は5回】
床やイスに座り、両手は太ももの上におきます。顔を正面に向けたまま、上、下、右、左、一周と眼球だけを動かします。5回繰り返しましょう。
【まとめ読み】『科学的に証明された 心が強くなるストレッチ』記事リストはこちら!
6章にわたって、ストレスに悩む多くの企業が導入している「心が強くなる」運動プログラムをわかりやすく解説しています