結果が出なくて不安。失敗してなかなか立ち直れない...。災害や社会情勢の変化など、最近トラブル続きのメンタルが整わないと思う人も多いはず! そんなメンタルを解消しようと元格闘家・大山峻護さんは運動プログラムを開発。その大山さんが明治大学の堀田秀吾教授とタッグを組み、そのプログラムを科学的なエビデンスとともにまとめた共著『科学的に証明された 心が強くなるストレッチ』(堀田秀吾&大山峻護/アスコム)から、「運動とメンタルの関係性」やそれぞれの心の状態にあったストレッチを一部ご紹介します。
体を動かすだけでやる気がじわじわ出てくる
今回は、やる気を出すストレッチを紹介します。
気分を上げたい、やる気を起こしたいときは、まず体を動かすこと。
立ち上がる、手を動かす、歩くなど、とにかく体を動かすと、やる気の原動力となるドーパミンやノルアドレナリンが分泌され、自然とやる気が出てきます。
激しく体を動かす必要はなく、スポーツの前の準備運動のように、軽く体を動かすだけで、じわじわとやる気が出てきます。
問題なのは、意欲が低下しているときです。
長期間のストレスとの戦いが続くと、脳のはたらきが鈍くなり、やる気や集中力を高めるノルアドレナリンやドーパミンの量が不足してしまいます。
原因は、ストレス反応で分泌されるコルチゾールというホルモン。
その場合は、セロトニンを増やし、コルチゾールの影響を弱めることも必要になります。
心を整えながら免疫力も高める
「心が強くなるストレッチ」には、やる気をアップさせると同時に、筋力アップをはかれるエクササイズもあります。
特におすすめなのが、「マグマスクワット」や「スキップひざげり伸ばし」などの下半身を鍛えるエクササイズ。
というのは、太ももやお尻、ふくらはぎなどの下半身の筋肉を鍛えると、筋肉から分泌される「マイオカイン」というホルモンの効果も得られるからです。
マイオカインはすべてが解明されているわけではありませんが、現段階でもうつや不安の抑制、糖尿病、認知症、脳卒中、動脈硬化、心疾患などの予防、そして美容にまで効果があることがわかってきています。
マイオカインがなによりすごいのは、自力でつくれるところです。
下半身の筋肉を鍛えるだけで健康になれるのです。
また、マイオカインは新しい刺激が好物なので、下半身だけにこだわらず、いろいろな運動を試してみるのも効果的です。
▼心に効く+筋肉に効く「笑顔スキップ」
「笑顔スキップ」は、同じ側の手と足を同時に動かす、へんてこ動作。動いているだけで、楽しくなります。
下半身を鍛えるには3セット
へんてこな動作ですが、太ももをしっかり上げることを意識すると、下半身の筋肉を鍛えるトレーニングにもなります。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください
【目安は左右10回】
1.スキップ
正面を向いて、右腕を大きく振り上げながら、右ひざを上げてジャンプ。このとき、表情はできるだけ明るく。
2.スキップ
続けて、左腕を大きく振り上げながら、左ひざを上げてジャンプ。顔は正面を向いたまま、笑顔も崩さないように。
3.スキップ
さらに、右腕を大きく振り上げながら、右ひざを上げてジャンプ。左右交互に10回スキップを繰り返しましょう。
▼心に効く+筋肉に効く「エアブルワーカー」
へんてこな動きで元気になりながら、脳を活性化させ、胸の筋肉まで鍛えましょう。
胸を鍛えるには3セット
息を吸いながら腕を上げ、息を吐きながらゆっくり腕を引きつけると、胸の筋肉をほぐすストレッチになります。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください
【目安は10回】
1.両手を上げて
イスに座り、顔を上げ、手を開いたまま両腕を上げます。真上ではなく、少し斜めに上げましょう。
2.引きつける
拳を握りながら、両腕を力強く体に引きつけます。1~2の動作を10回繰り返しましょう。きつい人は最低5回。
▼心に効く+筋肉に効く「マグマジャンプ」
イラッとするようなことがあったら、大きく手を広げてジャンプ。嫌なことも吹き飛んでしまいます。
下半身を鍛えるなら3セット
1で腰を沈めれば沈めるほど、下半身の筋肉を鍛えるトレーニングになります。できる範囲からはじめましょう。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください
【目安は5回】
1.上体を倒して
足を拳ひとつくらい開けて立ち、ひざを軽く曲げながら、上体を前に倒します。腕は後方に振り上げましょう。
2.大きくジャンプ
腕を前に振り戻しながら、上に向かって大きくジャンプ。1~2の動作を5回繰り返しましょう。きつい人は最低3回。
▼心に効く+筋肉に効く「表情筋トレ」
こわばっている顔の筋肉を、遊びながら動かしましょう。表情筋がほぐれると、気持ちも落ち着きます。
※痛みなどがある場合は決して無理をしないでください
【目安は5回】
右!
ひじを曲げ、手のひらを正面に向けて拳を握ります。まず、右手の人差し指を立てながら、右目下のほおを上に動かします。
左!
次に、左手の人差し指を立てながら、左目下のほおを上に動かします。右手の人差し指と右のほおは元に戻します。
同時に!
最後に、両手の人差し指を立てながら、両目下のほおを上に動かします。リズミカルに5回繰り返しましょう。
【まとめ読み】『科学的に証明された 心が強くなるストレッチ』記事リストはこちら!
6章にわたって、ストレスに悩む多くの企業が導入している「心が強くなる」運動プログラムをわかりやすく解説しています