足がだるい、むくむなどの不調は足の疲れが原因だと思っていませんか? でも、もしかしたら「下肢静脈瘤」の予兆かもしれません。まずは体操、マッサージで改善を! 北青山Dクリニック院長の阿保義久(あぼ・よしひさ)先生に、足の血管がぼこぼこと膨らむ「下肢静脈瘤」の具体的な症状について教えていただきました。
足の血液が逆流して血管が膨らむ病気
「70歳以上の人の約75%に症状があるといわれているのが『下肢静脈瘤』です。予兆として足に気になる不調が現れます」と阿保先生は話します。
「下肢静脈瘤」とは、足の静脈に血液がたまって、ボコボコとした膨らみができてくる病気です。
血管には「動脈」と「静脈」があり、静脈は心臓に戻る血液の通り道。
足の静脈は足先から心臓に向かって血液が流れています。
血液が逆流しないのは、静脈内に逆流を防ぐ弁が付いているからです。
「加齢によって静脈の弁の機能が落ちたり、血液を押し上げる筋肉の力が衰えると、血液がうまく流れなくなり、逆流して静脈瘤ができてしまいます」。
下肢静脈瘤を起こしやすいのは、下のように、皮膚に近い部分を流れる大伏在(だいふくざい)静脈や小伏在(しょうふくざい)静脈などの血管です。
どんな人が下肢静脈瘤になりやすいかというと、筋肉が少ない女性や立ち仕事が多い人などです。
【足の主な血管】
こんな足の症状、下肢静脈瘤かもしれません
症状1:足が疲れやすい
長時間立ったり、歩いたりしたわけでもないのに、足がだるい、痛いなどの症状が出やすくなります。
症状2:夜にこむらがえり
睡眠中に、ふくらはぎの筋肉がつって痛くなる「こむらがえり」を起こしやすくなります。
症状3:足の血管が見て分かる
血管が青色、赤紫色になっていたり膨らんでいるのが、皮膚の上からでも目立つようになります。
症状4:足がよくむくむ
夕方になると、ふくらはぎや足首に靴下のゴムが食い込むのは、足がむくんでいる証拠です。
症状5:足にかゆみがある
肌の乾燥や虫刺されといった理由がなくても、足がかゆくなることがあります。
【まとめ読み】特集「下肢静脈瘤を体操とマッサージで治しましょう」記事リスト
取材・文/松澤ゆかり イラスト/ノグチ ユミコ