女性の8割が該当!? 生理や婦人科疾患にも深く関わる「膣の冷え」とは

生理痛がひどくて動けない、婦人科疾患が治らない...こうした悩みや不安は、なかなか人には聞けないものだと思います。そこで、こうした多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医・駒形依子さんの著書『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA)より、人には聞けない不調を解決するカギとなる「こまがた式セルフケア」についてご紹介します。

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「いい膣」ってどんな膣?

そもそも、「膣」ってどんなものか知っていますか?

膣とは、子宮の入り口と外性器(外陰部)をつなぐ約10cmのひだ状の粘膜組織です。

筋性の筒状の器官で、子宮からの月経や粘液の排泄管の役割を果たしています。

粘膜組織は血流が豊富で、傷の治りが早いというのを一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

膣もそうした粘膜組織のため、本来、しなやかで柔軟性があります。

健康な膣であれば、血流が通って温かいというのが当たり前の状態です。

膣粘膜は皮膚と同じ「扁平上皮」という細胞で構成されているため、膣そのものが分泌液を分泌するということはありません。

膣内にある分泌物は、あくまで子宮と外陰部からの分泌物がメインです。

そして、ふっくらした膣をつくるのに最も大事なのが、エストロゲンという女性ホルモンの存在です。

膣は、月に1回、必要がなくなってはがれ落ちた子宮内膜やおりものを排出したり、パートナーのペニスを受け入れたり、赤ちゃんを出産する通り道になったりと、命を生み出すためになくてはならない働きをしています。

まさに、女性の象徴ともいえる場所だからこそ、意識を向けて、大事に扱ってほしいのです。

では、この本で目指してほしい「いい膣」「整った膣」とはどういう膣かというと、「血流のいい膣」です。

血流がよくなると、1つ1つの細胞に栄養、酸素、水分が血液によって運ばれるので、膣がふっくらしてきます。

血流のいい膣は当然温かくなるので、子宮の冷えも改善し、生理がとても快適になります。

この後で詳しく説明しますが、膣が温かいということは腸も温かくなるので、便秘や下痢もしにくく、免疫機能も上がります。

まさに、内面から健康的な女性になれるのです!

セックスの面でもいいことづくし。

膣がふっくらすると、ペニスのフィット感がよくなるだけでなく、愛液の分泌が促されることによって神経の伝達もよくなるので、感度がアップし、性交痛も改善されます。

男性のほうもその日によって、ペニスの角度やサイズは異なりますが、どんな状態のペニスであっても受け入れられる膣、最大限に感じられる膣になれば、お互いのコミュニケーションも高まりますよね。

セックスのときの痛い・痛くない、気持ちいい・気持ちよくないは、男性のせいだけとは限りません。

女性のほうにも、大切な人と楽しむための準備と努力が必要だと思います。

いい膣をつくることは、健康で充実した人生を送るために欠かせないことです。

次項から、膣の状態を語るうえで大切な4つのキーワードに沿って解説します。

①冷え
②ゆるみ・たるみ
③常在菌のバランス
④萎縮

まずは、1つ目の「冷え」からお話ししましょう。

女性の8割は膣が冷えている!?

膣は女性の体にとって、とても大事な働きをしていますが、診察をしていて感じるのは、膣が冷えている人が多いということ。

女性の場合、産後、セックスやパートナーに興味がわかず、セックスの頻度が減っていく傾向があります。

頻度が減って膣が使われなくなると、柔軟性がなくなり、血流が減少し、どんどん冷えてしまいます。

また、産後にかかわらず、近年はヒールを履く年齢が早くなり、体がきちんと形成される前に骨盤がゆがんでしまうことで、骨盤内の血流が悪くなり、若い女性でも膣が冷えている人がいます。

あなたの膣も、知らず知らずのうちに冷えていませんか?

あたしは、膣が温かいなら子宮も温かいし、膣が冷えているなら子宮も冷えていると思っています。

なぜなら、子宮と膣はつながっているからです。

実際、生理痛はもちろん、子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮の病気をつくる大きな原因は、「子宮の冷え」と言われています。

でも、きちんと検証しないと納得できないあたしは、本当にそうなのかを調べるため、勤務医を辞めてフリーランスの医者として「子宮がん検診」のアルバイトをしまくることで、疾患がある人の膣だけでなく、健康な人の膣も確かめました。

こうして、子宮と膣の状態に密接な関係があるかどうか、1日30~70人を週4~5日のペースでいろいろな場所を転々として5年間、自分なりにデータを取り続けた数、およそ5万件!

自分の指先の温度を一定に保つ努力をしたうえで、自分の指先よりも膣のほうが冷たく感じるのか、それとも温かく感じるのかをひたすら調べていきました。

正確な温度を測ったわけではなく、あくまでも感覚ですが......。

それと同時に、冷えていると感じる人と温かいと感じる人の妊娠・出産歴、おりものの状態、疾患、生理周期、過多月経や生理痛の有無もチェック。

自分の興味のためにひたすらメモを取り続けた結果わかったことは、平均8割の人の膣が冷えているということ。

また、冷えていると感じた人の妊娠・出産歴は少なく、なんらかの婦人科の既往症のある人が多かったのです。

逆に、温かいを通り越して熱いと感じた人は多産傾向で、婦人科の明らかな既往症がある人は少ない印象でした。

「自分には既往症はないから大丈夫!」と思うかもしれませんが、ずっと膣が冷えている人の多くは、自分の膣が「冷えている」と感じていません。

なぜなら、冷えているのが当たり前だから。

そして、基本的には男性が女性の膣を触るときというのは、婦人科医の診察以外ではセックスのときですよね?

その際はいろいろな刺激で、膣自体に血流が集まっている状態なので、平常時よりは当然、膣は温かくなっています。

そのため、男性に指摘されることもあまりないはずですから、膣の冷えを自覚する機会はかなり少ないと思います。

そこで、「平均8割の女性の膣が冷えているのであれば、自分の膣も冷えている」という前提でケアするのがいいでしょう。

膣が冷えているかどうか知りたい人は、入浴時に手が温まっている状態で、膣に指を入れてみてください。

指にヒヤッとする感覚があれば、膣が冷えている証拠です。

本来、膣は閉じているのですが、膣がゆるんで外の空気が入ったり、筋肉が少なくなって血流が減ったりすることで、膣が冷えてしまうのです。

あたしたちの体温は、流れる血液が温かいから保たれています。

そのため、流れる血液量が減れば、その部分は当然、冷えてしまいます。

これまで膣に意識を向けてこなかった人は、自分の膣の状態に不安を抱えているかもしれません。

でも、大丈夫!

今後のアドバイスで、あなたの膣は生まれ変わります。

ぜひ、楽しみにしてくださいね。

【まとめ読み】人には聞けない悩みがある人に。『膣の女子力』記事リスト

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生理や婦人科疾患などの悩みを解決するカギや、セルフケアの方法について、5章に渡ってわかりやすく解説

 

駒形依子(こまがた・よりこ)
東京女子医科大学医学部卒業。2018年、山形県米沢市に婦人科・漢方内科のこまがた医院を開業。高校生の頃から生理痛や過多月経に悩まされる。婦人科での研修医時代、患者よりも自分の生理のほうがひどい状態という矛盾を痛感し、生理痛や過多月経をなくす方法を追求し始める。その後、東洋医学を基礎から学び、自分の体を使って実験をくり返し、最小限の努力で最大限の効果を発揮するセルフケアを考案。自称「子宮が大好きすぎる産婦人科医」。ブログや講演活動を通じて、患者が自分で自身を治すための「グレない子宮の作り方」を提案している。

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『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』

(駒形依子/KADOKAWA)

生理のトラブルや、婦人科疾患、不妊、セックスの悩みといった多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医が、人には聞けない不調を解決する自身考案の「こまがた式セルフケア」について紹介しています。なかなか人には聞けない悩みや不安をスッキリ解消するヒントになる、話題の一冊です。

※この記事は『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(駒形依子/KADOKAWA)からの抜粋です。

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