腰痛に悩んでいる人は、実は「ろっ骨」が固くなっているのかもしれません。新しい腰痛改善法を提唱する川口陽海さんは「ストレスでろっ骨が固くなると血流不足を引き起こし、腰痛発症の原因になります」と言います。1万人の患者を治してきた川口さんの著書「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」(アスコム)から1日1分でできる「ろっ骨ほぐし」の方法をご紹介します。
長時間歩けない人はお尻から太ももにダメージがある
「トリガーポイントは中殿筋・小殿筋・ハムストリング」
しばらく歩くと、お尻や太ももの裏、ふくらはぎなどの筋肉に痛みやしびれがあり、歩き続けることができなくなる方がたくさんいます。
前かがみになったり、椅子に座って休憩したりすると、ラクになり再び歩けるのが特徴です。
これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいますが、高齢の方の腰痛では併発することが多い、つらい症状です。
お尻より下の筋肉が全体的に弱っている可能性があります。
そのため、トリガーポイントは中殿筋・小殿筋・ハムストリング(太ももの裏の筋肉)の3つに狙いを定めます。
中殿筋とハムストリングについては、巻末を参考に、これまでと同様のやり方で行ってください。
小殿筋は、お尻の外側の筋肉ですので、テニスボールでほぐすために少し体勢を変えます。
小殿筋は骨盤のいちばん飛び出ている骨の斜め下(体の真横のお尻)にある筋肉です。
そのほぐし方は次の通りです。
①マットの上に仰向けになる。足を軽く開き、両足の膝を立てる
②骨盤の骨の斜め下(体の真横のお尻)にテニスボールを置く
③体を真横に傾けて、ゆっくりとテニスボールに体重をかける(15秒程度)
小殿筋のトリガーポイントは、足の後ろ側や側面に、しびれを伴った痛みを引き起こすことが多々あります。
坐骨神経痛の症状のある方は、ここをほぐすことで改善の可能性が高まるでしょう。
坐骨神経痛の多くも、じつは筋肉の痛み
腰からお尻、太ももや足先などに、ピリピリする痛みを感じる人は、病院で「坐骨神経痛」と言われることがあります。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの「画像」がある場合は、坐骨神経痛は診断名ではなく、症状として扱われます。
いずれにしろ、その痛みはお尻から足にかけての「坐骨神経」が何らかの理由で圧迫されて起こるものだとされています。
しかし、私の治療院を訪ねてくる坐骨神経痛の患者さんは、トリガーポイントをほぐすことで改善することが少なくありません。
ここからも、診断名にとらわれないことが、腰痛治療において大切であることがよくわかります。
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手術・薬いらずの腰痛改善法「ろっ骨ほぐし」を全6パートに集約