体の痛みや見た目の老けにつながりやすい「猫背」。慈恵医大リハビリテーション科の安保雅博さんと中山恭秀さんは、「背中がまっすぐになると、若々しく元気に見える」と言います。そこで、そんな2人の著書『丸まった背中が2カ月で伸びる!』(すばる舎)から、丸くなる原因と寝たままできる簡単トレーニングの一部を連載形式でお届けします。
背中をまっすぐにして座るだけで筋トレ
机に向かって作業する場合、背中が伸びた状態で座れるのが理想です。
疲れてきたら、立って背中を伸ばしたり、体をひねったりしましょう。
まだ背筋を伸ばして座ることに慣れていない間は、同じ姿勢をとることで疲労が出ます。
10分保てたら、もう1回10分保って、そのくらいでいいのです。
背もたれに寄りかからずに座る習慣を取り入れることが大事です。
そのため、どうぞ寄りかかってラクに作業する時間もつくってください。
肘をついてラクに垂直が保てるのであれば、肘や前腕をついてかまいません。
背筋を意識した座り方になるよう、チャレンジしてください。
背中をまっすぐに保つことを意識しすぎると、骨盤の後傾を強くすることがあります。
そのため、骨盤もしっかり水平に保ちながら背筋を保つ方法が、お腹のあたりにクッションをはさみ、それを少し押すように座る運動です。
けっこうきつい運動で、あまり長くは難しいです。
これを行うときは腰が疲れることがあるので、休憩をはさみながら行ってください。
背筋を伸ばすには効果的です。
リュックサックで外出する
歩くときに手に荷物を持つと、前かがみを助長します。
重すぎなければかまいませんが、手荷物を持つと腕の振りもなくなるので、どうしても推進力が低下します。
結果的に、前に倒そうとする意識を高めるため、筋活動が多くなり、疲労も早めにくることになります。
姿勢も悪くなりやすいです。
リュックサック(ディパック)は背中に背負うため、後ろに引く力が強くなります。
後ろに引く力が弱くても、重さで少し後ろに引っ張ってくれるので、安定しやすくなります。
当然、前に持っていく力は強く要求されますが、両手が空きますので、腕の振りを意識したら円滑に前に進めるでしょう。
いずれにしても、あまり重い荷物を持たずが条件です。
キッチンの高さを調節
同じ姿勢を続けるというのは、けっこうな負担です。
家事動作で姿勢を悪くするものの代表が、台所仕事です。
本来であれば、身長に合わせた高さにまな板が置けたり、洗い物をしやすい高さに調整したりするのがいいですが、身長が高めの方は前かがみになりやすいので注意しましょう。
椅子とはいきませんが、背もたれのない高めの腰掛けを使うなどは効果的です。
身長が低い方は5cm程度の板を置くことで、背筋を伸ばしやすくなりますよ。
イラスト/中村加代子
寝たままできるズボラ筋トレや効果アップのストレッチなど、全4章で慈恵医大リハ式メソッド大公開