呼吸不全に陥ることも! この時期に気をつけたい夏型過敏性肺炎(1)

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夏になると咳が出て、体の不調に悩む方が増えています。体の調子が悪から蒸し暑い屋外へ出るなど、屋内外の気温差が激しい季節には、体調を崩しやすいですね。咳や微熱が生じて「夏風邪かしら?」と思うことはあるでしょう。「夏風邪は長引く」といわれますが、体調不良でも旅行などへ出掛けると、旅行期間中は風邪が治ってしまう人がいます。しかし、帰宅するとまた風邪の症状に悩まされる。このようなケースに潜んでいるのが、「夏型過敏性肺炎」です。

夏に繁殖しやすいカビへのアレルギー反応で発症

千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科教授の中島裕史先生によると、「原因は、室内のトリコスポロンというカビで、カビは夏に繁殖しやすいために夏型過敏性肺炎を引き起こします。

カビは高温多湿を好むので夏場に増え、室内の空気中にも漂います。そのカビを吸い込むうちに、体内でカビ(抗原)を退治するための武器(抗体)が作られて、抗原抗体反応が起こることで肺炎につながるのです。肺に炎症が起こるため、咳や微熱といった風邪に似た症状や息苦しさが続くのが特徴です。

「カビなどに対するアレルギー反応なので、カビの増える夏場に風邪のような症状を繰り返し、秋口になって低温低湿度でカビが少なくなると症状が治まります。毎年夏になると風邪をひくという方の中には、夏型過敏性肺炎の患者さんが隠れています。風邪薬では治らないので注意してください」。

夏型過敏性肺炎はこんな病気です

主な自覚症状
▶息苦しい
▶咳が出る
▶微熱がある

推定患者数
▶不明
(ちなみにぜんそくは約400万人だが、それよりは少ない )

かかりやすい人は?
▶中高年 
▶専業主婦
▶古い木造家屋に住んでいる人
▶高温多湿な地域に住んでいる人

原因は?
▶細菌やウイルスなどの病原体ではない
▶トリコスポロンというカビを吸い込んだことによるアレルギー反応

次の記事:「よく似ているけど「ぜんそく」と「夏型過敏性肺炎」は違います」はこちら。

  

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<教えてくれた人>
中島裕史(なかじま・ひろし)先生
千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科教授。宮崎医科大学(現・宮崎大学)卒業、千葉大学大学院修了(医学博士)。気管支ぜんそく治療のスペシャリストで、アレルギー疾患の診断・治療を長年行う。根治療法を開発すべく研究にも力を注ぐ。
この記事は『毎日が発見』2017年7月号に掲載の情報です。
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