よく似ているけど「ぜんそく」と「夏型過敏性肺炎」は違います(2)

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アレルギー反応によって夏になると咳が出て、体が不調になる「夏型過敏性肺炎」。アレルギーが関係する病気はいろいろありますが、小児期に発症しやすい「ぜんそく」や「アトピー性皮膚炎」と、夏型過敏性肺炎は病態が異なります。また、花粉症とも病態が違うため、花粉症で服用する抗ヒスタミン薬を飲んでも、夏型過敏性肺炎は良くなりません。千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科教授の中島裕史先生に伺いました。

前記事:「呼吸不全に陥ることも! この時期に気をつけたい夏型過敏性肺炎」はこちら。

  

ぜんそくや花粉症とは異なる仕組みで発症

夏型過敏性肺炎は、夏に繁殖しやすいカビへのアレルギー反応で発症します。症状が軽い場合は、カビなどの抗原を避けるだけで症状は治まりますが、重症の場合はステロイド剤や酸素吸入などの治療が必要で、入院しなければいけないこともあります。「重症化を防ぐには、夏型過敏性肺炎か否かの診断を早めに受けることが大切です。夏型過敏性肺炎ではトリコスポロンに対するIgG(免疫グロブリンG)抗体が関与しているため、血液検査でそれを調べます」と中島先生は言います。

  

症状がよく似ている、「ぜんそく」と「夏型過敏性肺炎」の違い

ぜんそくも夏型過敏性肺炎もアレルギーの病気ですが、炎症の起こり方などが異なります。ぜんそくは気道に炎症が起こりますが、レントゲン検査では肺に炎症は見られません。夏型過敏性肺炎は肺に炎症が起こり、レントゲン検査で異常が認められます。

【ぜんそく】
●「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」する
●気道が炎症を起こす
●通年性あるいは秋口に悪くなることが多い
●夜間から早朝に症状が出やすい

【夏型過敏性肺炎】
●息苦しい
●肺胞や最も細い気道(細気管支)の周囲が炎症を起こす
●発症は梅雨時から夏。秋から冬、春にかけては症状が出ない
●家にいると症状が出る

  

セルフチェック!
もしかしたら、あなたも夏型過敏性肺炎かも?

下記のうち、当てはまるものが多いほど、夏型過敏性肺炎の可能性があります。
□階段を上り下りすると息苦しい
□夏になると咳が出て、止まらない
□咳は出るが、たんは出ないことが多い
□自宅の換気をあまりしない
□風邪薬を飲んでも咳は止まらない
□外出したり旅行すると症状が軽減される
□自宅にいることが多い(専業主婦、自宅で仕事など)
□古い木造家屋に住んでいる

次の記事:「夏の「夏型過敏性肺炎」 予防にはカビ対策が必須!」はこちら。

  

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<教えてくれた人>
中島裕史(なかじま・ひろし)先生
千葉大学医学部附属病院アレルギー・膠原病内科教授。宮崎医科大学(現・宮崎大学)卒業、千葉大学大学院修了(医学博士)。気管支ぜんそく治療のスペシャリストで、アレルギー疾患の診断・治療を長年行う。根治療法を開発すべく研究にも力を注ぐ。
この記事は『毎日が発見』2017年7月号に掲載の情報です。
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