約70%がストレスに起因!急にお腹が痛くなる「過敏性腸症候群」が起こる仕組み

電車に乗った途端に我慢できない便意をもよおして、次の駅で慌てて下車するなど、急にお腹が痛くなって下痢をしたり便秘を繰り返したりする「過敏性腸症候群」。今回は、東急病院健康管理センター所長で心療内科医の伊藤克人先生に「過敏性腸症候群」の治療法や対処方法について教えていただきました。

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ストレスが自律神経を乱し、思わぬときに症状が出る

過敏性腸症候群はストレスとの関係が深い病気です。

「過敏性腸症候群の人の約70%は、発症前に何らかの心理的なストレスが見られるといわれています」と伊藤先生は話します。

腸の蠕動運動は自律神経の副交感神経によって、活発に動く仕組みがあります。

自律神経は、リラックスしたときに優位になる副交感神経と、活動的なときや興奮したときなどに優位になる交感神経がバランスを取って働いています。

ところが、過度なストレスによる緊張が続くと、脳の視床下部の機能異常が起こり、本来は副交感神経が優位なときに活発になる腸の動きが、交感神経が優位なときにも活発になってしまうのです。

「腸が脳に情報を送り、脳で処理された情報が腸へ伝わる『脳腸相関』も関係します。

ストレスによって乱れ、その情報が大腸の運動や知覚に悪影響をもたらすと症状につながるのです」と伊藤先生は説明します。

過敏性腸症候群の仕組みとは

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腸は脳に情報を送り、脳で処理された情報は腸に伝わるという「脳腸相関」という仕組みがあります。

それによって通常は腸の動きや便の状態にともなって便意や腹部膨満感などが生じても、それを異常とはとらえず、不安や緊張が生じることを防いでいます。

しかし、過度の心理的ストレスが脳に作用すると、脳腸相関が乱れて大腸の動きや知覚に影響を与え、腸の動きが異常になったり知覚過敏がもたらされ、腹痛、下痢、便秘が起こるようになります。

【便秘型の仕組み】

2002p087_02.jpg大腸で内容物と消化液を混ぜる分節運動が緩慢で少なくなります。

S字結腸がけいれんして、便が出にくくなってしまいます。

【下痢型の仕組み】

2002p087_03.jpg大腸で内容物と消化液を混ぜる分節運動が亢進して盛んになります。

そのため便の水分を腸内で十分に吸収することができません。

あなたの便は正常ですか? 便のタイプを7段階に分類


【便秘】
1:コロコロ便
硬くてコロコロしている、うさぎの糞状の便

2:硬い便
短く固まった硬い便

【通常】
3:やや硬い便
水分が少なくひび割れている便

4:普通便
適度な柔らかさの便

5:やや軟らかい便
水分が多く非常に軟らかい便

【下痢】
6:泥状便
形のない泥のような便

7:水様便
水のような便


上記のタイプでは3から5までが正常な範囲の便とされています。

便の表面は滑らかで、苦労せずにスルッと排便することができます。

ブリストル便性状スケールとは
上記はブリストル便性状スケールによる診断です。

これは大便を形状と硬さで7段階に分類する指標で、便の状態を知るための物差しとなり、便秘や下痢の診断項目の一つとして国際的に使用されています。

英ブリストル大学のヒートン博士が1997年に提唱。

文/安達純子 イラスト/堀江篤史

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東急病院健康 管理センター所長 心療内科医長
伊藤克人(いとう・かつひと先生

医学専門学群卒業。86年に東急病院・健康管理センター着任。 2003年より現職。心身医学、産業医学などが専門。近刊は『最新版 過敏性腸症候群の治し方がわかる本』(主婦と生活社)。

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この記事は『毎日が発見』2020年2月号に掲載の情報です。

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