「のど」は、呼吸、飲み込み、発声という3つの重要な役割を果たしており、私たちが生きていく上で不可欠な器官です。同時に、外部から空気や食べ物を取り込む「のど」は、病原菌を遮る第一関門でもあります。「長生きしたければ、のどを鍛えましょう」と話す池袋大谷クリニックの大谷義夫先生に、「のど」をケアする食材について教えてもらいました。
科学的根拠のある食べ物を取り入れましょう
のどは食生活でセルフケアすることも可能です。エビデンス(科学的根拠)がある食べ物や飲み物がいくつかあるので、普段の食事に積極的に取り入れたいものです。
逆に、のどや内臓に負担をかけ、せきを誘発したり、症状を悪化させたりする食べ物や飲み物もあります。唐辛子などの香辛料をたっぷり使ったスパイシーな料理、熱い麺類、冷たいアイスクリーム、酢やレモン、炭酸飲料、アルコールなどには注意しましょう。
コーヒー
気管支拡張・抗炎症作用のあるカフェインを含み、のどに良い飲み物の代表格。はちみつ(下記)を加えて飲むのもおすすめです。
ブロッコリースプラウト
飲み込む力を高める葉酸が豊富で、誤嚥性肺炎のリスク軽減に。スルフォラファンという成分には気管支拡張作用もあります。
ほうれん草
葉物野菜には葉酸が多く含まれ、特にほうれん草に豊富。飲み込む力(嚥下力)を高めてくれる効果があります。
ヨーグルト
免疫バランスを整える効果があり、風邪やインフルエンザの予防に期待。はちみつ(下記)を入れればさらに効果的です。
トマトジュース
含有するリコピン(老化を防止する抗酸化物質)の効果で、ぜんそくの症状改善が見られたという研究報告があります。
はちみつ
抗炎症作用、抗酸化作用があり、気道の炎症を抑えてくれます。医療用のせき止め薬より有効だという研究報告もあります。
青魚
n-3系多価不飽和脂肪酸(EPAやDHAなど)は、肺機能を高める効果がある成分の一つ。さばなどの青魚に多く含まれます。
りんご
フルーツは抗酸化物質が豊富ですが、特にりんごは肺機能を高め、呼吸器の病気の予防に効果的だといわれています。
構成・取材・文/岡田知子(BLOOM) 写真/ PIXTA