もしもガンになったら・・・主治医に絶対聞くべき「5つの情報」

いつの時代も怖い病気の代表に挙げられる「がん」。たとえ自分や家族が患ってしまったとしても、心の準備と備えがあれば、少しは気が楽になるかもしれません。そこで、1000件を超えるがん手術に携わった専門医・佐藤典宏さんの著書『手術件数1000超 専門医が教える がんが治る人 治らない人』(あさ出版)から、がんに対抗するために知っておくべき「5つの力」について、連載形式でお届けします。

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ガンが治る人 信頼できるところから情報を集める/ガンが治らない人 間違った少ない情報におどらされる

ガンについてのおもな情報源には、主治医、ガイドライン、書籍あるいはインターネットがあります。

主治医に確認しておくべきこと

まずは主治医から、現時点での診断と考えられる治療法についてくわしく説明してもらいましょう。

次のことは、必ず確認するようにしてください。

(1)ガンの部位および進行度(ステージ)

ガンがどこの臓器のどの部位にあるのか、そして、どのくらい進行しているか(ステージ)を聞きます。

一般的に、ガンのステージは、腫瘍の大きさや広がり、リンパ節転移の有無、および離れた臓器への転移の有無で決まります。

日本では、「癌取扱い規約」というルールブックにしたがって、ステージ分類します。

(2)主治医がすすめる治療法と代替案(それ以外の治療法)

主治医が最もすすめる治療法はどれか、また、その理由について聞きましょう。

それ以外の考えられる治療法についても確認します。

(3)治療の目標(根治・延命・緩和)

ガン治療の目標は、大きく分けて、

・根治(ガンを完全に治すこと)

・延命(ガンの進行を抑え、できるだけ長生きすること)

・緩和(ガンにともなう症状や苦痛を和らげること)

の3つがあります。

主治医に、治療の目標を聞きましょう。

また、後でくわしく述べますが、ガンの治療中に目標が変わることもありますので、主治医とつねに現時点での目標を共有しましょう。

(4)治療にともなうリスク(合併症・副作用・後遺症など)

ガンの治療には、必ずリスクがともないます。

手術であれば合併症や後遺症、抗ガン剤治療では副作用、また放射線治療では副作用や後遺症がでることがあります。

リスクについても、くわしく聞きましょう。

(5)治療が効かなかった場合の対応策

もし当初の治療法がうまくいかなかった場合、次の治療手段があるのかについても確認しておきましょう。

標準治療をガイドラインで確認する

主治医からの情報をもとに、自分でもガンの治療法を調べてください。

標準治療は、ガイドラインで確認することができます。

ガイドラインは、「乳ガン」「肺ガン」「胃ガン」「大腸ガン」など種類(臓器)別になっています。

『**がん治療ガイドライン**年版』のように、今ではほとんどの種類のガンに対応したガイドラインが出版されています。

ガイドラインには、「このステージのこのガンに対しては、この治療がすすめられる」といった具合に、推奨度とともに治療が記載されています。

自分のガン(ステージ)では、どんな治療がガイドラインですすめられているかを知っておきましょう。

ガイドラインは書店やオンラインで購入することができますし、学会(日本癌治療学会など)のウェブサイトで見ることもできます(ただし最新のバージョンではないことがあるため注意が必要)。

乳ガン、大腸ガン、膵癌(膵臓ガン)については、医療者向けのものとは別に、患者さん向けのわかりやすいガイドラインが発刊されています。

また、ガイドラインは数年で改訂されますので、必ず最新のものを入手しましょう。

以前のガイドラインですすめられていた治療法が、新しいガイドラインではすすめられていないこともあります。

本の〝宣伝〟にまどわされてはいけない

ガイドライン以外の書籍にも、ガンの診断や治療についてわかりやすくまとめたものがあります。

ただ、一般の方に向けたガンの標準治療に関するものは少なく、闘病記や非標準治療(代替医療)についてのものが多いようです。

ガンを克服した人の闘病記は、生活面や心構えで役に立つ場合もありますが、治療については参考程度にとどめておくべきです。

ただ、非標準治療の本については宣伝目的のものが多く、あまりおすすめできません。

特に「**だけで末期ガンが消えた」といったセンセーショナルなタイトルの本は、信用できないと考えてください。

また、「ガン放置論」といった標準治療や医療そのものを否定した内容の本も多いのですが、1つの考え方として中立的な立場で判断することが大事です。

インターネットの情報は、発信元に注意する

インターネットやスマートフォンの普及にともない、今はどこからでも簡単にインターネット上の情報にアクセスできるようになりました。

実際に多くのガン患者さん(あるいは家族)が、インターネットを利用してガンの情報を集めています。

しかし、インターネット上のガンについての情報は玉石混淆であり、信頼に値する正確な情報を発信しているウェブサイトは少ないのが現状です。

インターネットから正確な情報を集めるためには、まずは公的な機関(国の機関や大手の製薬会社など)が運営している信頼できるウェブサイトにアクセスすることです。

インターネット上のガンに関する情報のうち、たくみに民間療法の病院や高額なサプリメントなどの広告へ誘導するウェブサイトもありますので、注意が必要です。

特に、極端な表現(この治療法、サプリメント、食べものだけで末期ガンが治った、等)を使ったウェブサイトの情報に振り回されないようにしましょう。

ガンビジネスにだまされずに、信頼できる情報だけを手に入れるためには、普段からできるだけ多くの情報にふれ、「ガン情報リテラシー」を養っておきましょう。

手術数1000件超の専門医が伝えたい「がんが治る人 治らない人」記事リストはこちら!

068-ganga-syoei.jpg心構えや情報収集のやり方などが全5章で解説。治療法ではなく、がんを治すために自分でやれることがまとめられています

 

佐藤典宏(さとう・のりひろ)

1968年、福岡県出身。産業医科大学第1外科講師、外来医長。九州大学医学部卒。日本外科学会、日本消化器外科学会専門医・指導医。がんの分子生物学を研究し、外科医として膵臓がんを中心に1000例以上の外科手術を経験。ブログ「がんをあきらめない人の情報ブログ」は月間10万PVを超える。

がんの情報サイト

国立がん研究センターによる「がん情報サービス」

日本対がん協会のホームページ

中外製薬株式会社と株式会社QLifeによるガン情報サイト「がんwith」

ファイザー株式会社による「ガンを学ぶ」

日経BP社による「がんナビ」

静岡がんセンターと大鵬薬品工業株式会社による「サバイバーシップ」

株式会社クリニカル・トライアルによる「オンコロ」

 

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『手術件数1000超 専門医が教える がんが治る人 治らない人』

(佐藤典宏/あさ出版)

がんが「治る人」には傾向がある? 多くのがん患者にかかわってきた専門医が見いだしたのは、回復に結び付くために必要となる「5つの力」。著者が携わった症例や最新の研究結果を交えながら、がん克服に必要となる能力を高める方法を解説。「治る人」になるために必読の1冊です。

※この記事は『手術件数1000超 専門医が教える がんが治る人 治らない人』(佐藤典宏/あさ出版)からの抜粋です。
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