「のど」は、呼吸、飲み込み、発声という3つの重要な役割を果たしており、私たちが生きていく上で不可欠な器官です。同時に、外部から空気や食べ物を取り込む「のど」は、病原菌を遮る第一関門でもあります。「長生きしたければ、のどを鍛えましょう」と話す池袋大谷クリニックの大谷義夫先生に「のど年齢テスト」の方法と「音読のどトレーニング」の方法を教えてもらいました。
のどや肺の筋肉を鍛える「音読」で声の老化を防止
「老化」というと足や目の衰えを思い浮かべますが、声も年齢とともに老化します。
「声の変化に合わせて、発声を支えるのどや肺の筋肉も衰え、食べ物や飲み物を飲み込む『嚥下力』も低下していきます」(大谷先生)
のどや肺の老化防止に最も効果的なのは、普段から声を出してこれらの筋肉を使い、鍛えること。
大谷先生は、朝昼晩に各1分、1日3分の「音読のどトレ」をすすめています。
毎日読む新聞などでも簡単に行えるので、始めてみましょう。
まずはあなたの「のど年齢」を確認!「ゴックン チェック」(のど年齢テスト)
水をひと口含んで口の中を湿らせ、水を飲み込みます。
次に人さし指をのど仏に宛て、30秒間に唾液を何回飲み込めるか数えます。
飲み込める回数が少ないほど、のどの筋力や嚥下力が衰えています。
↓
5回以下は誤嚥性肺炎のリスク大!
さらにもう一つ!「飲み込み力チェック」
・食事中や食後にむせることがある
・せき払いが増えた
・寝ているときにせき込むことがある
・たんの量が増えた
・のどに違和感がある
・声がかすれてきた
・声の感じが変わってきた
・のどが詰まった感じがする
・液体の方が固形物より飲み込みにくい
・口呼吸をしている(口が開いている)
判定!
3つ以上当てはまったら...
↓
のどが衰えている可能性あり!
1日3分、声を出して読むだけ!「音読のどトレ」3つのうれしいこと
①のど、舌、声帯、表情筋、呼吸筋などの筋肉を総合的に使う運動になる
「のど年齢」を若返らせ、隠れ誤嚥による誤嚥性肺炎の予防になります。
しっかりとした若々しい声も保つことができます。
②呼吸筋が鍛えられ、肺に取り込まれる空気が増える
肺機能が高まって肺が若返り、気管に入った異物をせきによって排出しやすくなります。
また、血液中の酸素が増えて全身の細胞も元気に。
③表情筋が鍛えられ、唾液が出やすくなる
のどが潤って免疫力がアップ。飲食物を飲み込みやすくなり、誤嚥予防にも。
唾液が口の中を清潔に保ち、歯周病や口臭も防ぎます。
構成・取材・文/岡田知子(BLOOM)