年々増加傾向!患者数2000万人「ドライアイ」基礎知識

年々症状を訴える人が増えているドライアイ。現在、日本では2000万人の患者がいるとされています。スマートフォンやパソコンで長時間目を酷使する生活も一因といわれるドライアイは、いったいどのような病気なのでしょうか?眼科専門医の平松類先生に「ドライアイ」の基礎知識を教えていただきました。

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ドライアイとは涙の分泌量が減ったり、涙の質が低下したりすることによって、目の表面を潤す力が低下した状態をいいます。

目の乾燥感、目が疲れる、ゴロゴロする、まぶしいなど、さまざまな不快感を生じます。

視力の低下、慢性の頭痛や肩こり、全身の倦怠感、うつ状態に至る場合もあり、生活の質を著しく下げます。

涙には「目の表面を外界から守り、保湿する」「目に酸素や栄養を与える」「細菌などの侵入や感染を防ぐ」「異物を洗い流す」などの働きがあります。
涙は涙(るい)腺せんというまぶたの内側にある組織で作られ、まばたきをするたびに目の表面にいきわたります。

通常、1分間に約20〜30回まばたきを繰り返して、涙を送りこみます。

パソコンやスマートフォンなどを長時間使用すると、まばたきの数は約3分の1に減るといわれています。

涙はわずか1000分の7mmの薄い膜。目の表面で液層と油層から成る「涙液層」という層を形成しています。

油層は液層の表面に薄い膜を張って、涙の蒸発を防ぎます。

この油はまつげの根元辺りにある油の腺(マイボーム腺)から分泌されます。

■涙液層の構造

1911p091_01.jpg・油層:薄い膜を張って涙の蒸発を防ぐ。マイボーム腺から油分が分泌される。
・分泌型ムチン※ :涙にとろみをつけて、涙が目の表面に均一に分布するのを助ける。
・膜型ムチン:目の表面に粘着して、涙が流 上皮細胞れ落ちるのを防ぐ。

※粘液の主成分である糖たんぱく質。

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・マイボーム腺:まつげの根元辺りにあり、油分を分泌する。

最新の研究でドライアイの原因は涙の量より質が問われることが分かってきました。

「質の良い涙」=「簡単に乾かない涙」を作るためには、涙液層の安定性が大事になります。

加齢により涙腺からの涙の量が低下したり、血流が悪くなって油分の量が低下したりすると、涙液層の安定性が崩れて「ドライアイ」の状態に陥ります。

■ドライアイ 主な原因

・涙の分泌量が減る(量的な異常)
・涙の性質や涙を保持する能力が変化する(質的な異常)

■実はあなたもドライアイ!? チェックリスト

下のチェックリストで、ドライアイかどうか確認してみましょう。

まず目を開けて12秒以上我慢してください。できない場合はドライアイの強い疑いがあります。

次に下のリストをチェックしてください。3個以上当てはまるようなら、強い疑いがあります。早めに眼科を受診しましょう。

□ 目が乾いた感じがする
□ 目がゴロゴロする
□ 目に何となく不快感がある
□ まぶしい
□ 目が疲れる
□ ときどき物がかすんで見える
□ コンタクト・パソコン・エアコンいずれかを使う
□ 目が重たい感じがする
□ 視力が低下してきた

構成・取材・文/古谷玲子(デコ)

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<教えてくれた人>

CVIC心臓画像 クリニック飯田橋理事長

寺島正浩(てらしま・まさひろ)先生

神戸大学医学部卒。国立循環器病センター、米国 スタンフォード大などを経て日本初の心臓特化型画像診断センターを開設。心臓を3Dで画像診断し、病気 の早期発見と予防に貢献。

この記事は『毎日が発見』2019年11月号に掲載の情報です。

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