肩こり、膝痛、便秘、どうにかしたい・・・。あなたの体の不調、根本的な原因は「内臓の冷え」にあるかもしれません。体の中の温度である「内臓温度」が1℃下がれば体の免疫力が激減するという、冷え性対策の第一人者・山口勝利さんは、「まずは内臓を温めることが重要」だと説きます。そんな山口さんの著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)から、体を隅々までぽかぽかになる「究極の冷え症改善法」をお届けします。
「水飲み健康法」がセルライトやむくみの原因に......
血液がサラサラになり、ダイエットにも効果的といわれている1日に大量の水を飲む「水飲み健康法」。これも内臓温度の観点からは、おすすめできない健康法です。
0カロリーの水を食事の代わりに何リットルも飲めば、確かにやせるのかもしれませんが、冷たい水を大量に飲めば、当然、内臓温度は下がります。
それどころか、余分に摂りすぎた水分が体内にたまり、むくみや皮膚の表面がボコボコするセルライトの原因になる可能性があります。
そもそも、人間には理想的な「体水分量」は、体重のおよそ50~60%が平均値。大体の人がその基準を満たしているので、あえて大量に水分を摂る必要はありません。
また一度に吸収できる水分もコップ一杯程度といわれています。実践するなら、適量を常温で飲むようにしましょう。
体にいいといわれる飲み物は、糖分と水分で内臓を冷やすことが......
野菜ジュースは、てっとりばやくおいしくビタミン補給ができるので、重宝しがちです。しかし、体にいいからといって、ついつい飲みすぎてしまうとNG。
おいしいと感じるものには甘いものが多いもの。本当に野菜をしぼっただけで、あんなに甘いはずはありません。飲みやすさを考えて、多くのものが「果汁」をたくさん加えています。そして、果汁の中にたくさんあるのが「糖分」。
果物でビタミン・ミネラルを摂る場合は、繊維や酵素なども一緒に摂れるので吸収を穏やかにしてくれますが、これをジュースという形にすると、繊維がないため糖分がすぐに体に吸収されてしまうのです。
糖分を摂りすぎると、血液はドロドロになって、「熱」が運ばれにくくなります。
さらに、冷たいということで、大量に飲むと、内臓を冷やすことになるのです。運動に必要な栄養を補給するスポーツドリンクも同じです。
以前、ある格闘家の男性が、下がらない高熱に悩んで相談にきたことがありました。
内臓温度を測ったら、高熱にもかかわらず、35℃台前半。聞いてみたら、野菜ジュースやスポーツドリンクをそれぞれ毎日1リットルは飲んでいたそうです。
ただちに、やめてもらい、食生活を変えてもらったら、熱は下がっていき、逆に内臓温度は上がっていきました。内臓温度が下がり免疫力が低下したことで、熱が下がらなかったということです。
飲むなとはいいませんが、体にいいからと野菜ジュースやスポーツドリンクを摂取し続けるのは、内臓温度の観点からいうと、あまりおすすめできません。
冷えに効くサプリメントも大量に飲んでは意味がない
サプリメントも例外ではありません。
冷えの自覚のある人は、手足を温める工夫に加えて、サプリメントを摂っている人もいると思います。
ウコン、カプサイシン、マカ、ローヤルゼリー、ビタミンEなど、温め効果のあるサプリメントはいくつかありますが、気をつけたいのは摂り方。
効果を高めるために数種類のサプリメントを一度に摂りすぎると効果が出ないことがあります。
成分が凝縮されているサプリメントは、一度に大量に摂ると体が受け付けないことがあります。複数のサプリメントとなると、さらにその可能性が高くなります。そうなると、どれだけ摂っても効果なし。
もともとサプリメントは、健康補助食品。通常の食事を補うつもりで摂るようにする方が、効果を得る近道なのです。
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