肩こり、膝痛、便秘、どうにかしたい・・・。あなたの体の不調、根本的な原因は「内臓の冷え」にあるかもしれません。体の中の温度である「内臓温度」が1℃下がれば体の免疫力が激減するという、冷え性対策の第一人者・山口勝利さんは、「まずは内臓を温めることが重要」だと説きます。そんな山口さんの著書『死ぬまで元気でいたければとにかく内臓を温めなさい』(アスコム)から、体を隅々までぽかぽかになる「究極の冷え症改善法」をお届けします。
「ダイエット難民」は、内臓を温め代謝を上げれば救われる
必要な栄養素を摂りながら健康的にやせる。そう思って昼食をカロリーの低いサラダだけなどで済ましてしまうと、体を中から冷やしてしまうことになります。なぜなら、生野菜は体を冷やす食材の代表格だからです。
特に、トマトやレタス、きゅうり、なすといった夏野菜、それから南国でとれる野菜や果物は要注意。夏が旬だったり、暑いところでよくとれたりするものは、水分が多いなど体を冷やす作用があるといわれているからです。
少し食べる程度なら問題ありませんが、摂りすぎると、内臓温度をどんどん下げることになります。
さらに、過度な食事制限をしてしまうと、それがストレスになり、自律神経が乱れてしまいます。それによって、体を温める機能が乱れてしまい、どんどん内臓温度が冷えてしまうのです
内臓温度が下がると、ダイエットには逆効果。調べたところによると、内臓温度が1℃下がると、基礎代謝が約10~15%落ちるようです。
基礎代謝は体が消費するエネルギーの6~7割を占め、成人女性の平均値は1日で約1200キロカロリー。つまり、内臓温度が1℃下がると、約180キロカロリー、おにぎり1個分のカロリーを消費できなくなる計算になります。
それが1カ月、2カ月続くと考えると、莫大なカロリーになります。せっかく、カロリーの低い野菜を食べていても、基礎代謝が落ちることによって逆にカロリーを蓄積してしまうことになるのです。
さまざまなダイエットを試しても効果がなく、何かいいダイエットはないかと探し求めさまよっている、いわゆる「ダイエット難民」には、内臓が冷えていて、基礎代謝が低い人が多くいます。
エネルギーをためこみやすい体だからこそ、何をしてもダイエットできないのです。そこから抜け出したいのなら、やることは1つ、内臓を温めることだけです。
ひと言断っておきますが、決して野菜を食べるなといっているわけではありません。体を冷やすといわれる野菜を食べる場合はせめて温めてから食べてほしいということ、極端に食べすぎないことが必要です。
体を温める野菜も多くあります。地下にできる根菜類、ニンジン、ゴボウ、レンコン、イモ類などには温める力が備わっています。
野菜が好きな方はぜひ、それらの野菜を積極的に食べるようにしてください。
ヨーグルトを食べるのなら朝ではなく夜に食べる
かんたんに腸内環境を整える食材として注目されているのが、ヨーグルトです。しかし、ヨーグルトは、体を冷やす作用があるといわれてる牛乳が原料です。ヨーグルトを食べると腸内の善玉菌が増えるのは事実ですが、食べすぎは注意が必要ですし、特に食べるタイミングには気をつけなくてはなりません。
ヨーグルトは朝に食べる人が多いと思いますが、タイミングがよくありません。朝は1日のうちで一番体温が低い時間帯です。内臓が冷えているときに、ヨーグルトを食べてさらに冷やすことはありません。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の効果は、昼に食べても、夜に食べても同じ。どうしても朝にヨーグルトを食べたいなら、ヨーグルトを食べたあとに体を温める食べ物や飲み物で、内臓を冷やさないようにしましょう。
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