年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
ズボンを履きながらお尻と足の後面をリリース
【ながらシチュエーション:ズボンを履く】
筋肉の部位
・大殿筋(お尻)
・ハムストリングス(太もも裏)
・腓腹・ヒラメ筋(ふくらはぎ)
ここに効く
・ヒップアップによる美尻効果
・太ももの引き締めによる美脚効果
・歩きやすくなる
アンダーショーツやハーフパンツ、長ズボン、スポーツ選手が着用するタイツなど、すべてのパンツウェアを履くときにできる筋膜リリースです。
坐骨を後ろに引きながら前屈して、お尻からもも裏の筋膜をリリースしていきましょう。また、前屈姿勢で膝を曲げればヒラメ筋(ふくらはぎの深部)、伸ばせば腓腹筋(ふくらはぎの浅部)がリリースできます。
朝、夜どちらの着がえでも、自分のやりやすいときに行えばOK。朝ならば通勤や外まわりでの歩行がラクになり、夜ならば下半身の緊張がほぐれるので、よく眠れるようになります。
1.坐骨を引きながら軽く膝を曲げる
ズボン(パンツ)を両手に持って足を肩幅に開き、坐骨を後ろに引きながら軽く膝を曲げます。膝を前に突き出さないように注意しましょう。
2.さらに坐骨を引きながら前屈する
坐骨を後ろに引きながら、ゆっくり上体を曲げます。このとき、できるだけ背中を丸めないように注意しましょう。1~2の動きを何回か繰り返しましょう。お腹をももに近づける角度を深めたり、弱めたりしてギュッギュッと何度も1~2を繰り返します。
3.前屈のまま膝を伸ばす
前屈をキープしながら、膝を伸ばします。ふくらはぎの伸びを感じたら、普通に履いてOKです。
リリースPOINT:ヒザの入れ方に注意
2のポーズで前屈する際に、膝を大きく前に突き出すのはNG。これではもも裏にもお尻にも、まったく負荷がかからないので注意しましょう。
靴下を履きながら背中・お尻・足の後面をリリース
【ながらシチュエーション:靴下を履く】
筋肉の部位
・広背筋(背中)
・大殿筋(お尻)
・ハムストリングス(太もも裏)
・ヒラメ筋(ふくらはぎ)
ここに効く
・ヒップアップによる美尻効果
・歩きやすくなる
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
シャツ、パンツを着替えたら、次は靴下の番です。用意するのは、イスや台、ベッドなど、足をのせられる場所。適度な高さがあれば何を使っても構いません。また、靴下に限らず、ストッキングでも同様に行えます。
片足をイスにのせ、ズボンを履くときと同じように、坐骨を後ろに引くイメージで前屈していきましょう。背中、もも裏の筋肉がリリースされ、歩行をラクにしてくれますし、ヒップアップによる美尻効果も期待できます。
伸びている感覚が少ないと感じる場合は、イスから少し体を離して行うか、坐骨をさらに後ろに引くといいでしょう。
1.台に片足をのせる
靴下を持ち、適度な高さの台に片足をのせます。このとき、つま先は浮かしましょう。
2.背中を丸めず前屈する
靴下を両手で持って坐骨を後ろに引きながら前屈します。このとき、背中を丸めずに行いましょう。背中、お尻、もも裏、ふくらはぎが伸びたと感じたらOK。
3.普通に靴下を履く
姿勢を解いてOK。普通に靴下を履きましょう。左右の靴下で行います。
リリースPOINT:正しい前屈の仕方
「坐骨を後ろに引く」イメージが難しければ、お尻の一番下のラインを移動させると考えればOK。このラインを水平に動かしていくと、自然と坐骨が引けて前屈します。
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