年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。
起きたらそのまま布団の中で背中とわき腹をリリース【ながらシチュエーション:朝起きて(1)】
筋肉の部位
・広背筋(背中)
・腹斜筋(脇腹)
ここに効く
・血流がよくなり、すっきり起きられる
・お腹まわりを引き締める
・便秘解消
・肩こり予防
・痛みの緩和
朝、目覚ましが鳴ったのに、なかなか身体が動かない。そんな人にオススメなのが、脇腹の筋膜リリースです。組んだ手を頭上に上げ、同じ方向に組んだ足を倒しつつ身体を横に倒していくだけ。脇腹がぐぐっとリリースされて、すっきりとした目覚めにつながります。
リリースするのは横腹・脇腹に広がる腹斜筋。内腹斜筋と外腹斜筋からなる筋肉で、腹圧を高めたり、内臓の位置を安定させるために重要です。排便も助けるので、リリースすれば朝からトイレも快調です。左右の腹斜筋をリリースすれば、身体の動きが向上し、気持ちよい一日がスタートできます。
1.仰向けになって膝を立てる
ラクな体勢で仰向けになり、膝を立てます。腕は軽く投げ出す感じで、力を抜きましょう。
2.組んだ腕を伸ばし足を組む
お腹の前で手を組み、顔の前を通るようにして腕を伸ばしましょう。同時に、左足を右足にかけます。
3.身体と足を同じ方向に倒す
2の状態から組んだ足を右側に倒します。そのとき、上半身も右側に傾けていきましょう。反対側も同様に行います。
リリースPOINT:足と身体を倒す方向に注意を!
足を倒さずに上半身だけ曲げたり、足と身体の倒す方向が左右に違っていると、筋膜を伸ばす力が弱まるので、リリースされにくくなります。
布団をめくりながら首・肩・背中をリリース【ながらシチュエーション:朝起きて(2)】
筋肉の部位
・頭・頚板状筋(首の後面)
・ローテーターカフ(肩甲骨周囲)
・菱形筋(肩甲骨の内側)
・広背筋(背中)
ここに効く
・寝違い、ぎっくり首予防・痛みの緩和
・肩こり、腰痛予防・痛みの緩和
・呼吸に関する筋肉をゆるめる効果がある
朝、布団をめくって、身体を起こす。誰もが無意識に毎日している行動のひとつですよね。この日々の行動にわずかなアクションを足すだけで、立派な筋膜リリースができます。布団ではなく毛布でももちろん可能です。
やることは仰向けの体勢になり、布団を持ったまま腕を突き出し、頭の上に上げるだけ。リリースするのは腕の筋肉ではなくて、広背筋と頭・頚板状筋です。腕の力で上げ下げせずに、肩甲骨を意識して動かしましょう。
寝て硬くなった身体をほぐすだけでなく、肩こり予防や、いわゆる四十・五十肩予防にもオススメです!
1.胸元の位置で布団の端を持つ
仰向けの体勢で、布団の端を両手で軽く持ち、布団を胸元まで引き上げます。
2.布団を持ったままバンザイの状態に
バンザイをするように腕を頭上に持っていきましょう。
3.腕を突き出したままゆっくり起き上がる
肩甲骨を外側に出すイメージで腕を伸ばしたまま背中の伸びを感じながら起き上がりましょう。
リリースPOINT:上げた腕を左右に動かし、効果アップ!
さらに負荷をかけるなら、突き出した腕を左右に動かしましょう。背中への負荷のかかり方が中心から外側に変わり、リリース効果が高くなります。
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