解きほぐすと...体の動きがよくなる!第二の骨格「筋膜」をご存知ですか?

年齢を重ねると「肩のコリ」や「筋肉のこわばり」がなかなか取れない――。そんなあなたの悩み、自分で簡単に解消できるかもしれません。多くのアスリートが信頼を寄せるスポーツトレーナー・のぐち径大さんの著書『ながら筋膜リリース』(あさ出版)から、筋肉をほぐす話題のストレッチ「筋膜リリース」のやり方を抜粋してお届け。家事をしながらでもできる実用的なメソッドを連載形式でご紹介します。

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筋膜とは何か?

筋膜とは「筋肉、骨や内臓、血管や神経などのパーツを機能的に包み、支えている」組織です。これらの筋膜組織は全身に張り巡らされていて「第二の骨格」とも呼ばれています。

筋膜は、ひとつの筋肉を包んでいるだけではなく、複数の筋肉にも関連しています。一部、もしくは一点でも筋膜の動きが制限されると、そこから離れた部分の動きの低下にもつながります。

身体が機能的に動くのも、筋膜のおかげです。身体は、いくつかの筋膜のまとまりやつながりで構成されています。これらの筋膜が連動したり支え合ったりして機能的に動くため、身体も動くというわけです。「筋膜リリース」は、そういった重要な役目を持つ筋膜を"機能的に動かす"ことを目的にしたメソッドです。

固まった筋膜を上手に動かしていくと、身体の動きが抜群によくなります。つまり、身体全体が機能的に動き出すのです。昨今では、多くのアスリートが取り入れ、その効果を実感しています。

リリースしないと筋膜は癒着しやすい

筋膜は筋肉や内臓に癒着しやすい組織です。長時間同じ姿勢でいたり、同じ動作を続けていると硬くなってしまいます。さらにそれだけでなく、精神的なストレス、中枢神経や呼吸機能による問題、ケガなどが原因でも癒着を起こしやすいのです。

癒着した筋膜には、「たわみ」や「やわらかさ」がなくなるので、機能性も落ちてしまいます。

また、筋膜は全身につながっていて、連動的に機能を発揮しています。一部分で癒着が起こると、それ以外の各所に影響を及ぼすことも多く、癒着した部分とは違う部位の機能が落ちてしまい、結果としてそこに痛みが出ることもあります。

筋膜の癒着が起こってしまったら、自然には取れません。動きや習慣をあらためたり、筋膜リリースでゆるめてあげる必要があります。また、日常的にリリースをすることが癒着予防になり、続けていくうちに身体の動きがよくなることもあります。

筋膜リリースの仕方 筋膜は2つの力を使ってリリースする

癒着してしまった筋膜は解きほぐさなければいけません。では、どうやって解きほぐせばいいのでしょうか?

単純に一方向から伸ばすだけでは、効果は出ません。一番大切なのは、両方向から引っ張って筋膜を均等かつ機能的に伸ばすこと。スーパーのビニール袋を持ち、両手で左右に引っ張ってみましょう。両方向に均等に伸びるはずです。これが理想的なリリースです。

そのため、筋膜リリースは基本的に2つの力を意識して行います。例えば、脇腹を伸ばすならば、手を伸ばして上に伸びる力と、手と同側の足を後方に伸ばす力を利用して行います。どんな筋膜リリースでも、相反する2つの力を意識して行えば、リリースの効果が高まります。

また、自分がどこの筋膜を伸ばしているか意識することも大切です。難しく考えず、気楽に「脇腹、伸びろ~」と念じてみてください。脳が上手にその点を意識させてくれます。

解きほぐすと...体の動きがよくなる!第二の骨格「筋膜」をご存知ですか? 038-syoei-kinmaku.jpg普段の生活や仕事の中に取り入れられる58のメソッドが、3つのシーン別で解説。イラスト・写真付きですぐにできる!

 

のぐち径大(のぐち・けいた)

東中野はりきゅう整骨院SPORTS LAB代表。スポーツトレーナー。鍼灸師。柔道整復師。熊谷接骨院で働きながら、整形外科のチームでオペの見学や外傷の整復治療、リハビリまでを一貫して経験。医療機関にて鍼灸を学び、産科・婦人科疾患の鍼灸治療にも精通する。トレーナー視点も併せ持ち、現役スポーツ選手やオリンピアンからも信頼が厚い。

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『ながら筋膜リリース』

(著:のぐち径大 医療監修:阿保義久/あさ出版)

買い物中や仕事中に、ちょっとだけ体の使い方を変えれば快調になる!?長く付き合ってきた肩のコリや背中の痛みから解放してくれる超簡単な58のメソッドを、イラストと写真で詳細解説。普段からやっている動作を少し意識すれば、健康的なボディが手入るかも!

※この記事は『ながら筋膜リリース』(のぐち径大/あさ出版)からの抜粋です。

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