肩こり、腰痛、目の疲れ、何をやっても疲れがとれない...。年のせいかと思いきや、その原因はあなたの「脳」にあるかもしれません。そこで、『疲労回復の名医が教える 誰でも簡単に疲れをスッキリとる方法』(アスコム)を執筆した梶本修身さんが提唱する疲労回復法を連載形式でご紹介。疲労と脳の関係や実践的なストレッチを学んで、毎日をリセットしましょう。
血流を促して、同時にいびきも予防
脳の疲れをとるには質のよい睡眠が必要で、そのためにはいびきを防ぎ、血流をよくすることがポイントです。
それを寝る前の1分間で準備してしまうのが、「1分間すっきりストレッチ」です。「1分間すっきりストレッチ」は、睡眠の前に、パジャマやスウェットなどのリラックスできる服装で、そのまま眠れるようにベッドや布団の上で行います。
基本の3つのステップと、プラスαの「舌ストレッチ」から構成されるストレッチ。1分間程度しかかかりませんので、ぜひ試してください。
STEP1:太ももゆるゆる伸ばし
《ねらい》血管やリンパ管の詰まりをとって血液やリンパ液の流れを高め、疲労感を解消します。
《所要時間》20秒
股関節を伸ばして血流を高める
仕事中に長時間、椅子(いす)に座ってデスクワークをしたり、帰宅後にソファに座ってテレビを見たりしていると、体の各関節の血管とリンパ管が圧迫されて、血液やリンパ液の循環が滞ります。
特に足の付け根は面積が大きいので、座った姿勢でいると、そこを通る多くの血管やリンパ管が折れ曲がります。実際、4時間座っている姿勢を続けると、血流量が10%低下することがわかっています。
寝る前に太もも(股関節を)伸ばし、足の付け根の血管とリンパ管をまっすぐにして血流を高めることを心がけましょう。
両ひざがベッドや布団につくくらいまで股関節を広げられるとベストですが、むずかしい場合は無理をせず、股関節が痛まない程度にとどめてください。
睡眠中は気道を確保し、口を寝具でふさがないように、横向き(右向きがベスト)になるのが理想です。
STEP2の「ひざばたばたストレッチ」で体をひねる動きをすることで、寝ている間に仰向けになっても、横向きに寝返りをうつ習慣がつきやすくなります。ゆっくり深い呼吸で行いましょう。
STEP2:ひざばたばたストレッチ
《ねらい》返りの癖をつけることで睡眠中、いびきをかきにくい姿勢をとりやすいようにします。
《所要時間》30秒
全身をまっすぐ伸ばしてリラックス
最後に、全身の関節(曲がる部分)をまっすぐ伸ばします。前述の通り、関節が曲げられると、そこを通る血管やリンパ管が圧迫され、血液やリンパ液の流れが滞ります。血流が滞ると、酸素を全身に安定して供給する働きを担う自律神経に大きな負荷が加わります。
全身の関節をまっすぐにすることで血管やリンパ管の圧迫をなくし、詰まりの解消をすることで、「よい眠り」に入るための準備をします。いわば「ダメ押し」のストレッチです。
深い呼吸で副交感神経を優位に
また、深い呼吸は、副交感神経を優位にするのに効果的です。STEP3のストレッチをしている間は、特にゆったりとした呼吸を心がけましょう。通常より多くの酸素をとり込むことで、血管が開いて血流がよくなり、副交感神経が優位になり、だんだん気持ちがリラックスしてきます。
交感神経優位から副交感神経優位になるまでには、実は10分ほど時間がかかります。寝る前の「1分間すっきりストレッチ」が終わったあとも、眠りに入るまで、呼吸は「ゆっくり深く」を心がけてください。
STEP3:全身ゆったり伸ばし
《ねらい》全身の関節部分を伸ばし、血管とリンパ管をまっすぐにすることで、全身をすっきりさせます。
《所要時間》10秒
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4章にわたって疲労と回復の考え方から生活改善法まで学べます。簡単に作れる「疲労回復レシピ」も