え?歯磨きも関係あるの?「長引く咳」を予防する4つの習慣

「1カ月前に風邪をひいて、咳だけ今も出る」「カラ咳が1年くらい続いている」など、ここ数年「止まらない咳」を訴えて病院を訪れる人が増えています。2週間以上続く咳の場合はさまざまな病気の可能性があるので注意が必要です。今回は「長引く咳を予防する習慣」について、日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医で、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生にお聞きしました。

え?歯磨きも関係あるの?「長引く咳」を予防する4つの習慣 pixta_13811531_S.jpg

咳を長期化させないために生活習慣の改善を

咳を長期化させないためには、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか?

「生活習慣や日ごろの環境から咳の要因をできるかぎり排除することが大切です」と、大谷先生。

手洗いやうがいをしっかりすることで風邪を予防することも大きなポイントです。毎日の習慣として少しずつ取り入れながら、セルフケアしましょう。

■手洗い・うがいをする

風邪の予防には、手洗いとうがいが欠かせません。手を洗う時は石鹸をよく泡立てて手のひら、甲のほか、指も1本ずつ洗います。

爪の間と手首も忘れずに洗いましょう。うがいは、風邪の予防であれば、うがい薬でなく水で十分。口の中をぐじゅぐじゅとゆすいだ後、のどの奥で10~15秒ほどガラガラします。

■マスクをつける

マスクは風邪の予防や人にうつすリスクを少なくするだけでなく、息で加湿されるのでのどの保護にもなります。

つける時は生地をしっかり伸ばしてすき間がないように鼻と口を覆います。また、外し方も大事。マスクの表面にはふれないようにし、指をゴムひもにかけて外すようにしましょう。

■歯磨きをする

口の中には多くの細菌が存在しています。口腔内の細菌から放出されるタンパクは、インフルエンザウイルスの増殖に関係します。

口腔ケアをしっかり行うことで細菌を減らし、その結果、インフルエンザの発症率が10分の1になったというデータもあります。

また、細菌を含む唾液を誤嚥(ごえん)することで発症する誤嚥性肺炎の予防にも役立ちます。食後の3回に加え、就寝前か起床直後の計4回を習慣にしましょう。

■鼻呼吸を意識する

鼻呼吸には、鼻の粘液や鼻毛が異物やウイルスなどを取り除いてくれるメリットがあります。

吸った空気が鼻の中で適度に加温・加湿されるため、呼吸器にも優しい呼吸法です。

このほか、十分に睡眠をとること、ウォーキングなど適宜な運動をすることも心がけましょう。

特集「長引く咳」その他の記事一覧はこちら!

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

大谷義夫(おおたに・よしお)先生

「池袋大谷クリニック」院長。日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医。群馬大学医学部を卒業後、九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、アメリカ・ミシガン大学留学などを経て、2009年に「池袋大谷クリニック」を開業。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビや雑誌への出演も多い。著書に『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)、『止まらない咳を治す!』(扶桑社ムック) 、『長生きしたければのどを鍛えなさい』(SB新書) 。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP