ストレスが原因の咳も? 咳が長引いたら疑いたい7つの症状

「1カ月前に風邪をひいて、咳だけ今も出る」「カラ咳が1年くらい続いている」など、ここ数年「止まらない咳」を訴えて病院を訪れる人が増えています。2週間以上続く咳の場合はさまざまな病気の可能性があるので注意が必要です。今回は咳を伴う鼻の病気「後鼻漏(こうびろう)」について、日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医で、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生にお聞きしました。

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気管支の病気から肺がんまで咳の原因はさまざま

咳ぜんそくや肺炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などのほかにも、長引く咳の原因はさまざまあります。気をつけたい主な病気や症状を、大谷先生に教えてもらいました。

■気管支ぜんそく
ハウスダスト、ペットの毛、気温差などの気管への刺激やウイルス感染がきっかけとなって気道が狭くなり、痰が増え、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった喘鳴(ぜんめい)が起きます。咳が長く続き、夜間に悪化して眠れなくなることもあります。「咳ぜんそく」の人の30%ほどが「気管支ぜんそく」に移行し、一度発症すると完治が難しくなります。吸入ステロイド薬などを使用しながら治療します。

 

■肺マック(MAC)症(非結核性抗酸菌症)
マック菌という細菌による感染症で、咳や痰が続きます。マック菌は庭の土や浴室などに生息する非結核性抗酸菌です。結核菌に似ていますが、人から人へは感染せず、マック菌を含んだ土ぼこりや水滴などを吸い込むことで肺に菌が侵入し、感染します。初期症状は風邪に似ており、数十年かけてゆっくり進行します。やせ型の中高年女性に多い病気ですが、原因は解明されていません。特効薬はなく、数種類の抗生物質(抗菌薬)の投与によって治療します。

 

■気管支拡張症
気管支の一部が壊れて広がり、拡張部分が細菌感染を起こす病気。詳しい原因は解明されていません。咳や痰のほか、血痰(けったん)も多く見られ、肺マック症を合併することもあります。

 

■心因性の咳
咳に関するあらゆる病気を疑ってさまざまな検査しても正常な場合、ストレスが原因の咳である可能性があります。この場合、有効な治療法や薬はありません。仕事や人間関係などストレスの原因となっているものから離れることが大切です。

 

■アレルギー性の咳
ハウスダストや花粉、ペットの毛など身近なものが刺激となって咳を誘発します。アレルギー性の咳は「咳ぜんそく」に、さらには「気管支ぜんそく」に進行することも。治療では、吸入ステロイドのほか、抗アレルギー薬の服用も検討します。また、身の回りにあるアレルギーの原因となるものを取り除くことが必須です。

 

■肺がん
気管支や肺の細胞が何らかの原因でがん化した、悪性腫瘍。咳が続くほか、ばち状指(手や足の指先が丸く分厚く太鼓のばちのように変形する)が認められることもあります。喫煙との関連が非常に大きいがんで、喫煙者の場合、禁煙は必須。早期であれば、外科的手術でがん病巣を切除するのが一般的な治療法です。

 

■肺結核
「結核菌」を吸い込むことによって起こる肺の感染症。咳や痰、微熱、食欲減退など風邪の症状にも似ていますが、進行すると息切れ、血痰(けったん)、喀血(かっけつ。血を吐くこと)、呼吸困難などの症状が見られ、死に至ることもあります。
空気感染によって人から人へ感染しますが、全ての人が発病するわけではなく、健康な場合は人体の免疫機能によって発症しないこともあります。

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取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

大谷義夫(おおたに・よしお)先生

「池袋大谷クリニック」院長。日本内科学会総合内科専門医・日本呼吸器学会専門医。群馬大学医学部を卒業後、九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、アメリカ・ミシガン大学留学などを経て、2009年に「池袋大谷クリニック」を開業。呼吸器内科のスペシャリストとしてテレビや雑誌への出演も多い。著書に『長引くセキはカゼではない』(KADOKAWA)、『止まらない咳を治す!』(扶桑社ムック) 、『長生きしたければのどを鍛えなさい』(SB新書) 。

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