冬は大根が一段とおいしい季節です。実だけでなく、皮や葉にも栄養がたっぷり含まれているので丸ごと食べ切ることをおすすめします。淡泊な味なので、自由なアレンジも可能。管理栄養士・料理研究家の牧野直子さんによるレシピで、滋味豊かな味わいを楽しんでみましょう。
大根の栄養は? オススメの保存方法は?
大根は1年中出回っていますが、特に寒い時期はみずみずしく、甘みが増加します。肌が白くかたく締まり、ハリとツヤがあるもの、ひげ根が真っすぐ並んでいるものが良品。ジアスターゼという消化酵素のほか、葉の部分にはβ-カロテンなどを含んでいます。
大根を購入したら、葉の部分は切り落として別々に保存。ラップで包むか保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ入れます。下ゆでしてから使うと味がしみやすくなり、その後、煮たり炒めたりする時間を短縮できます。部位に合った調理法で、よりおいしくいただきましょう。乱切りは炒めもの、半月切りは煮もの、いちょう切りは汁ものなどに合います。
「下ゆで」で大根をもっとおいしく簡単に
大根は、切り方を変えて下ゆでし、保存容器に入れて冷蔵庫に保存しておくと、すぐに使えるうえ、調理時間も短縮できて便利です。鍋に、切った大根、かぶるくらいの水を入れて、強火にかけ、沸騰してから5分ほどゆでます。少し透き通ったぐらいが、できあがりの目安。冷蔵庫で3~4日保存できます。
大根の部位の特徴と主な調理法
【葉】
さっとゆでて青くささをとり、青みとして使ったり、炒めものやみそ汁の具に。
【実の上部】
辛みが少ないので、おろして使ったり、サラダなど生で食べるときに向く。
"もう一品"にぴったり!
「焼きしいたけと三つ葉のおろしあえ」
1人分33kcal 塩分0.7g
材料(2人分)
大根...300g
生しいたけ...4枚
三つ葉...1束(15g)
しょうゆ...大さじ1/2
1. 大根はおろして軽く汁気をきる。しいたけはグリルで焼いてさく。三つ葉はざく切りにする。
2. ボウルにしいたけ、三つ葉を入れ、大根おろしとしょうゆであえる。
【実の中部】
みずみずしく甘みと辛みのバランスが良い部分。生や煮もの、炒め煮などに。
ピリ辛でごはんがすすむ!
「牛肉と大根の中華風炒め煮」
1人分417kcal 塩分1.7g
材料(2人分)
大根...300g
牛こま切れ肉...200g
しょうが...小1かけ
サラダ油...大さじ1
A しょうゆ、酒、みりん...各大さじ1
豆板醤...小さじ1/2
作り方
1. 大根は皮をむき、乱切りにして下ゆでし、ざるに上げる。牛肉は4~5㎝幅に切る。しょうがはせん切りにする。
2. フライパンに油を熱し、中火で牛肉を炒めて色が変わったら大根、しょうがを加え、さっと炒める。
3. Aを加えてなじんだら、ふたをして火を弱め、10分ほど蒸し煮して味をなじませる。
【実の下部】辛味が強く筋が多いので、小さく切って汁ものの具や炒めものにするとよい。
【皮】
大根の皮には食物繊維が多く含まれています。ふろふき大根のときなどに厚めに皮をむいたら、きんぴらにしてみましょう。食感を残すようにし、炒め過ぎない方がおいしいです。
しゃきしゃき食感が楽しい!「きんぴら大根」
1人分 36kcal 塩分0.5g
材料(2人分)
大根の皮(5㎜厚さにむいたもの)...100g
赤とうがらし...1本
ごま油...小さじ1
A しょうゆ...小さじ1
砂糖...小さじ1/2
だし汁...1/4カップ
白いりごま...少々
作り方
1. 大根の皮はマッチ棒状に切る。赤とうがらしは斜め半分に切り、種を除く。
2. フライパンにごま油を熱し、大根の皮を炒める。油がまわったら、A、赤とうがらし、だし汁を加え、汁気がなくなるまで炒めて、ごまをふる。
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取材・文/細川潤子 撮影/原 務 スタイリング/渡会順子 栄養計算/スタジオ食