肺と気管支の不調を遠ざける6つの生活習慣で、風邪やインフルエンザも撃退!

風邪のときに発熱は治っても、咳や痰が長引くことがありますね。咳止めなどの薬を服用して3週間以上も治らないことも。そのまま放置していると大変なことになってしまうかもしれません。肺と気管支の不調を防ぐために気を付けるべきことを日本医科大学 呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞先生にお聞きしました。 

前の記事「長引く咳や痰の放置は厳禁! 肺にも炎症が及び「肺炎」にも!(2)」はこちら。

 

肺と気管支を守るには、風邪予防が最も重要

「風邪は万病のもと」といわれますが、風邪をひくと急性気管支炎や気管支拡張症のみならず、気管支ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの悪化につながります。

「肺や気管支を守るには、風邪予防が最も重要です。マスクや手洗い、うがいはもとより、インフルエンザワクチンの接種、さらには家庭内での感染予防も心がけましょう」と木田先生はアドバイスします。

外出したときには、マスクの着用、帰宅後には手洗いやうがいを行なっていても、家庭内で家族からうつされてしまうことはありがちです。家族からの感染予防も心がけることが大切です。1902p087_05.jpg

 

寝不足だとワクチンの効きめが低下することも!

また、ご自身の体調管理にも注意が必要です。体温が下がると免疫力は低下するといわれ。寒い状態が続くと風邪をひきやすくなります。さらに、寝不足や運動不足、偏った食事の仕方も免疫力を低下させて悪影響につながるので注意が必要です。

「米国の研究では、インフルエンザワクチンの接種後、睡眠不足の人たちは、十分に睡眠をとっている人たちと比較して、ワクチンによる抗体価が上がらないことが明らかにされました。睡眠時間が足りない人は、インフルエンザワクチンを接種しても、効果が期待できないのです」と木田先生は指摘します。

インフルエンザワクチンを接種しても、一般的にインフルエンザになってしまう人はいます。睡眠不足といった体調管理の不備で、ワクチンの効果が薄れてしまうこともありうるのです。

「しっかり寝て、バランス良く適量を食べてください。そして運動習慣を持っていると感染症予防につながります」

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寒いと動くのがおっくうになりがちですが、体操教室などで適度に体を動かす習慣はエネルギー代謝を上げて免疫力のサポートにもつながります。もちろん、高血圧や糖尿病などの生活習慣病予防につながることはご存じでしょう。

日中の活動量を上げると夜の寝つきも良くなります。加齢とともに睡眠の質が下がり、寝つきが悪くなったり、睡眠時間が短くなったりする傾向の人は、日中の活動量の向上によって改善につながります。そして、肉類や魚介類、野菜や果物などの栄養バランスを考えて食べることも大切です。

「亜鉛を多く含む食材であるかきを鍋仕立てにしたり、ビタミンCの豊富な果物や野菜は、感染症予防の一助になります」と木田先生はアドバイスします。

そして忘れてはいけないのは、風邪のような症状を放置しないことです。普段から体調管理を心がけていても咳や痰、発熱などの症状が出た場合には、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。

「中年期以降の方は、肺や気管支に思わぬ病気が潜むことがあるため、咳や痰の症状を放置しないように」と木田先生。

転ばぬ先のつえを意識して、気管支と肺を守りましょう!

 
■いつ病院に行ったらいいの?
目安は3週間!:3週間以上咳、 痰が止まらない場合は 直ちに受診を!

のどの痛みや鼻水といった症状は風邪のときに起こりがちですが、咳や痰が伴うときには、風邪以外の病気の可能性があります。受診の目安は3週間以上咳や痰が続くとき。ただし喫煙歴があるなど肺の異常を抱えやすい人は、3週間を待たず、すぐに受診を。


■肺と気管支の不調を遠ざける6つの生活習慣

1)家族全員がワクチンを接種する
インフルエンザは、お孫さんなど家族からうつされることが多いため、家族全員でワクチン接種をするのが基本です。家庭内の感染を防ぐことが、風邪予防の第一歩と考えましょう。

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2)手洗いとうがいを励行
外出先から帰ってきたら、手洗いとうがいをしっかりと。風邪のウイルスは、付着した手で口元を触ったり、食事をすることで体内に侵入します。食事前などもこまめに手洗いを。1902p087_03.jpg 

3)タオルの共用は避ける
風邪のウイルスは付着した手から体内に侵入しやすいため、家庭内感染予防として、手洗いのタオルの共用は避けましょう。1人1枚ずつが基本です。家族ごとにタオルの用意を。
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4)外出時にはマスクをする
他人からの感染予防として外出時のマスクは有効です。鼻や口をしっかり覆い隙間を作らないようにして着用しましょう。 咳の症状があるときも、他人にうつさないためマスクの活用を。

 

5)亜鉛とビタミンCをたっぷりと
ウイルスを寄せ付けない栄養素として亜鉛とビタミンCが役立ちます。かき鍋やかきフライ、 野菜や果物などをたっぷりと。ただし食べ過ぎはダメ。適量食べることを心がけましょう。

 

6)睡眠は十分にとる
睡眠不足はインフルエンザワクチンの効果を弱めます。そして、生活習慣病も悪化させ肺や気管支にも悪影響を及ぼします。体調を整えるためには、毎日ぐっすり眠ることが大切です。

 

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

 

<教えてくれた人>

日本医科大学 呼吸ケアクリニック所長

木田厚瑞(きだ・こうずい)先生

金沢大学医学部卒。 同大大学院修了。カナダ留学などを経て、2003年より現職。同年より日本医科大学呼吸器内科教授兼任後、18年まで同特任教授。COPDなど呼吸器の病気の診断・治療の第一人者。

この記事は『毎日が発見』2019年2月号に掲載の情報です。

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