毎日の食事の準備をもっと簡単にしたい! 1つの調味料で料理のバリエーションを増やしたい! そんな人におすすめなのが、発酵食品や旬の野菜、果物で作る自家製の保存調味料。どれも和・洋・中に使える万能調味料で、それぞれにうま味成分があるので、塩分控えめなレシピになっています。人気料理研究家に教えてもらいました。
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料理研究家の石原洋子さんのご主人で、ホテルオークラの元総料理長・根岸規雄さんが、いつもねぎの青い部分が大量に捨てられるのを見かねて考えたのが、多目的のねぎソースです。ホテルでは「ねぎベーゼ」という名前で宴会料理にも使われていました。
イタリア料理のジェノベーゼソース風ですが、ベースがしょうゆ味なので、和風にもアレンジできて使い勝手が良く、石原家でも欠かせない冬の保存調味料なのだとか。魚介やパスタにもよく合います。
おろしたパルメザンチーズを入れるとおいしいですが、基本のソースには入れない方が使い回しは利きます。
「ねぎソース」でねぎを無駄なく使ってホテルの味に
全量 581kcal 塩分5.9g
[保存方法]冷蔵庫で約1週間保存可能。
材料(200mlの容器1個分)
長ねぎ(青い部分)...300g
松の実...20g
オリーブ油...約大さじ3
うす口しょうゆ...大さじ1
塩...小さじ1/4
こしょう...少々
作り方
1. ねぎの青い部分は10㎝ほどの長さに切り、縦に半分に切る。熱湯で2~3分ゆでてざるに上げる。ゆでたねぎのぬめりは、包丁の背でこそげるようにして取り除く。松の実はアルミ箔で包み、オーブントースターで5分ほど焼く。
2. 鍋に1.5Lの水と塩約大さじ2(分量外)を入れて沸かし、1 のねぎを入れてやわらかくなるまで7~8分ゆでる。
3. ざるに上げて、流水で塩を洗い流し、粗熱をとって水気を絞り、2~3等分の長さに切る。
4. フードプロセッサーに3 、松の実を入れてひと混ぜし、オリーブ油、うす口しょうゆ、塩、こしょうとともに、なめらかになるまで攪拌する。フードプロセッサーがなければねぎを小さく切ってから上記材料をすり鉢に入れ、すってもよい。かたさはオリーブ油で調節しながらペースト状にする。
「ねぎソース」のアレンジメニュー
「魚介とかぶのサラダ」はねぎの風味で一段上の味わい
1人分 197kcal 塩分0.9g
材料(2人分)
えび(中)...4本(100g)
帆立貝柱(刺身用)...3~4個(100g)
かぶ...2個(200g)
レモン(くし形切り)...1切れ
ねぎソースドレッシング
ねぎソース...大さじ2
オリーブ油...大さじ1
レモン汁...小さじ1
塩、こしょう...各少々
作り方
1. えびは背わたを取り、熱湯でゆでて冷水にとってさまし、殻をむいて食べやすく切る。帆立は熱湯をサッとかけ、冷水で冷やして半分に切る。
2. かぶは茎を2㎝ほど残して葉先を切り落とし、縦に8等分に切る。鍋にかぶと水大さじ3(分量外)を入れ、ふたをして弱めの中火で2~3分蒸し煮にしてざるに上げ、粗熱をとる。
3. ねぎソースドレッシングの材料を混ぜ合わせる。
4. 器に1 、2 を盛り合わせ、3 をかけてレモンを添える。
「ねぎと油揚げのあえもの」で和風のあえものに
1人分 93kcal 塩分1.3g
材料(2人分)
長ねぎ...1/2本(60g)
えのきたけ ...1袋(100g)
油揚げ...1/2枚
ねぎソース...大さじ2
うす口しょうゆ ...小さじ2
作り方
1. ねぎは5㎝長さ、5㎜幅に切る。えのきたけは根を切り落とし、長さを半分に切って耐熱容器に入れ、ラップをして600Wの電子レンジで50秒加熱する。油揚げは熱湯をかけ、半分に切って細切りにする。
2. 鍋に熱湯を沸かし、1 のねぎを入れさっとゆで、ざるに上げて粗熱をとる。
3. えのきたけ、油揚げ、2 をねぎソースであえ、うす口しょうゆを加えて調味する。
「ねぎソースパスタ」はにんにく風味のジェノベーゼ風
1人分 491kcal 塩分1.7g
材料(2人分)
スパゲッティ...160g
ねぎソース...大さじ2~3
粉チーズ(おろしたパルメザンチーズ) ...大さじ2
オリーブ油...大さじ2
塩、こしょう...各少々
にんにく...1片
赤とうがらし...1本
作り方
1. 鍋に熱湯1.5リットル(分量外)を沸かし、塩小さじ1 1/2(分量外)を入れてスパゲッティを袋の表示通りにゆでる。ゆで汁は少しとっておく。
2. フライパンにオリーブ油を熱し、種を取った赤とうがらし、つぶしたにんにくを入れて弱火で香りが出るまで炒める。
3. 1 、ねぎソース、粉チーズを加え、様子を見ながらゆで汁大さじ4~5を加えてあえ、塩、こしょうで味をととのえる。お好みでさらにチーズをふってもおいしい。
取材・文/細川潤子 撮影/原 務 栄養計算/スタジオ食