入浴後のゆずも徹底活用!冬至に「ゆず湯」に入るのはなぜ?

12月22日(土)は冬至。冬至とは、一年のうちで最も昼が短く夜が長い日のこと。江戸時代に始まったといわれるゆず湯に入って体を温めるのが習わしですが、実はゆずは多くの効能を持ち、ゆず湯の他にもさまざまな使い方があることをご存じですか?

日本屈指のゆずの産地である大分県日田(ひた)市に伝わる使い方を、元・玖珠(くす)町教育委員の宿利(しゅくり)歌子さんに教えてもらいました。

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かんきつ類の原生種に近いゆずには栄養がいっぱい!

「ゆずは温州(うんしゅう)みかんをはじめとするかんきつ類の原生種に近いといわれています。なので、種子や果皮の部分が多く、果汁は20%ほどしかありません」とは、大分県産のかんきつ類について研究している、大分大学理工学部教授の石川雄一先生。

ゆずは、ゆずこしょうに使う夏から初秋に間引いた青ゆずと、冬に旬を迎える黄ゆずの2種類がありますが、「特に木の上で完熟した黄ゆずはさまざまな成分を含み、果皮、種子、果汁それぞれに異なる効能を持つのが特徴です」

小さな実に体に良い成分がたくさん詰まっているゆずは、丸ごと活用するのがおすすめ。皮も種も捨てるところはありません。余すことなく使って、ゆずのある生活を楽しむのが正解なのです。

 
なぜ冬至にはゆず湯に入るの!?

果皮に含まれるユズノンなど約350種の香りの成分が混ざったゆずは、香酸かんきつ類の中で特に香りが良く、お湯の上でこの成分が揮発し、リラックスを促します。

冬至にゆず湯に入るのは、香り高いゆずで邪気を払って運を呼び込むという説の他、冬至=湯治(とうじ)の語呂合わせなどが由来といわれています。

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日田市の家庭では、ゆず湯で使ったゆずも捨てずに庭木の根元に。自然の肥料にするそうです。

 

次の記事「今日は冬至。栄養豊富なゆずを皮も、種も、果汁も丸ごと活用!(2)」はこちら。

取材・文/岡田知子(BLOOM) 撮影/齋藤ジン

 

 

<教えてくれた人>
石川雄一(いしかわ・ゆういち)先生

大分大学理工学部教授。 同大学学長補佐、COC+(地〈知〉の拠点大学による地方創生推進事業)推進担当。地元の生産者・加工業者と「ゆずプロジェクト」を設立。県産かんきつ類の免疫制御成分を活用した飲料の開発も手がけている。

この記事は『毎日が発見』2018年12月号に掲載の情報です。

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