胃の内視鏡検査が不安で怖い。本当に検査しなくてはならないのか/高谷典秀先生「なんでも健康相談」

「病院に行くべきかどうか...」悩むレベルの"困った症状"、いろいろありますよね。
今回寄せられたのは、胃の内視鏡検査を受けるのが怖いという60代男性のお悩み。医療法人社団同友会理事長 高谷典秀先生がお答えします。

  

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胃の内視鏡検査が不安で怖い

67歳の男性です。胃の痛みについて教えてください。

食事をしている最中は何とも無いのですが、食後しばらくすると、お腹が張ってきて、重くなるような痛みを感じます。よくげっぷも出ます。

放っておくと治るので、ただの食べすぎかと思い、そのままでいたのですが、家内に言われて、近くの医師に相談をしたところ、内視鏡検査をすることになってしまいました。

内視鏡検査は初めてなので、とても怖いです。本当に検査を受けなければならないほどの病気なのでしょうか。

また、内視鏡はスムーズに検査できる人と、できない人がいるようですが、うまくいく方法があれば、教えてください。

 

鼻から内視鏡を入れる経鼻内視鏡も。心配しすぎずリラックスして

胃の痛みと、内視鏡検査に関するご相談ですが、食後に痛みがあるという事ですので、やはり何らかの胃の病気が疑われます。

とくに心配されるのが胃潰瘍です。みぞおち付近の痛みがあれば胃潰瘍の症状である可能性がありますが、痛みの強さと病気の重症度が必ずしも平行するわけではありません。激しい痛みに襲われ、検査をしてみても、軽度の胃炎だったり、逆に症状が軽くても、しっかりとした潰瘍があることもあります。お手紙に書かれているように、放っておいても治る程度の痛みだからといって、病気が軽度であるとは言い切れないのです。

それ以外にも、67歳といいますと、胃がんが心配される年齢ですので、きちんと検査を受けることが肝要です。

内視鏡検査に伴う苦痛をご心配されているようですが、内視鏡で一番苦しいのは喉の奥を通過して食道に入るまでです。嘔吐反射といって、喉の奥に物が当たると吐き気が生じますが、その強さには個人差があります。コツとしては、心配しすぎないことです。過度に緊張しますと、喉がカチカチになり、余計に内視鏡が通りにくくなります。ゆっくりと鼻から呼吸をして、リラックスをし、医師から「飲み込んでください」と指示があったら、大きく、思い切って飲み込むようにしてください。また、内視鏡検査の前には、咽頭に十分な麻酔が行なわれます。麻酔薬を、しばらくの時間、喉の奥に含ませたり、スプレー状の麻酔薬を吹き付けることもあります。

それでも不安な場合、現在は、鼻から内視鏡を入れる、経鼻内視鏡というものが使われるようになっています。嘔吐反射が出にくく、多くの方が、口から飲み込むよりも楽だという印象を持たれていますので、こちらを選択してみるのも良いでしょう。どうか怖がらずに、安心して検査をお受けください。(老友新聞社)

 

※そのほかの「高谷典秀先生「なんでも健康相談」」はこちら。

 

 

<教えてくれた人>
高谷典秀(たかや・のりひで)先生

医療法人社団同友会 理事長。順天堂大学循環器内科非常勤講師。日本人間ドック健診協会 理事。学校法人 後藤学園 武蔵丘短期大学客員教授。著書に『健康経営、健康寿命延伸のための「健診」の上手な活用法』(株式会社法研)など。

この記事は『日本老友新聞』に掲載の情報です。

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