いま、健康にいいと注目されている「スポーツ吹矢」。1998年に日本で生まれた、的をめがけて息を使い矢を放つスポーツです。「腹式呼吸」を基本動作に取り入れ、肺活量や高い運動能力は不要。性別・年齢問わずに、いつでも始められる他、ゲーム感覚でできるとあって、98歳の方や車いすを利用する方も楽しんでいます。用具は筒、矢、的のみで、自宅でも手軽に練習できます。3分間で5本吹くことをルールに、的に当たった合計点数を競います。
年齢・運動能力不要。誰もができるスポーツ
健康にいい理由は、スポーツ吹矢の呼吸法が、胸式・腹式呼吸の両方を使い、呼吸に関わる筋肉を使うからです。血流が良くなり、血管のつまりや動脈硬化の予防、脳の老化防止、内臓機能の活性化などにいいとされています。日本スポーツ吹矢協会に問い合わせると、基本動作などを教えてくれる近隣の教室を紹介してくれます。スポーツ吹矢で健康になりましょう。
<教えてくれる人>指導員 鈴木孝枝(すずき・たかえ)先生
48歳からスポーツ吹矢を始め、指導員歴15年。カルチャーセンターの講師の他、障がい者サポート部副部長、江東区の介護予防リーダーなど、多方面で活躍中。
<体験した人> 増田久美子さん(63歳)
友人が吹矢をやっていて、体にもよく、楽しいと聞いて参加しました。今回が初めてなので、どのような感じなのか想像もつきませんが、奥が深そうです!
<基本動作を学びましょう>
1.構えます
的に向かい一礼をした後、足を肩幅に開いて、足元のラインに対し爪先を45度の角度
で構え、矢を筒に入れます。
注意!足は45度の角度
2.筒を上げます
鼻から息を吸いながら両腕で筒を頭上まで上げた後、9秒かけて口から息を吐き切り、腰の下まで筒を下げます。
3 .矢を吹きます
鼻から息を吸いながら、筒を顔の位置へ水平に持ち上げます。顔を的に向けて筒を口でくわえ、一気に矢を吹きます。
注意!手のひらはまっすぐ
合計点を計算します
3分間を目安に5本吹き、合計点数で競います。増田さんは初心者ながら27点(35点満点)と健闘。「ストレス解消!」と大喜び。
<用具はこれだけ>
矢 10本 1,990円~(税込)
1本の長さは20㎝で、先端に金属製のピンが付いている。矢の中は空洞で、ビニールフィルム製
的 3,020円~(税込)
的は発泡ポリエチレン製で、的シール10枚付き。自宅の壁に掛けられるものなどある。縦33㎝×横33㎝
筒 6,800円~(税込)
1本筒、持ち運び可能な三つに分割できるものなどがある。素材もグラスファイバーなどある
<吹矢のルール>
・1ラウンド3分間を目安に5本吹く。ラウンド数は段級位により異なる
・動きやすい服装で行う
・配点は的の中心から7、5、3、1 点。距離と総得点を競う
・初心者は的より6m の位置から吹く。日本スポーツ吹矢協会の会員となり段級位
を取得すると、実力により6 m~10 mの位置から吹く
・矢が的に当たって撥ね、撥ね矢と判断されたら吹き直せる
<こんなに体にいい!スポーツ吹矢の健康効果>
1 血管のつまりや動脈硬化予防
2 心を落ち着かせストレスを解消
3 冷え性・肩こりの改善
4 高血圧・脳老化の予防
5 美肌・ダイエット効果
6 免疫力を高める
7 腰痛・糖尿病の予防
8 ぜんそくを改善
9 内臓機能の活性化
日本スポーツ吹矢協会
住/(協会本部)東京都中央区銀座3-10-9 KEC 銀座ビル9F
問/03-3543-1071(10:00 ~18:00)
※全国に1300 支部、カルチャー教室が130 カ所以上あり、講座を開催。
本部に電話すると、最寄りの支部・教室を紹介。
※会員になると(入会金無料、一般年会員3,000 円)、協会主催のスポーツ吹矢大会への参加、段位を取得できる
取材・文/中沢文子 撮影/後藤利江 取材協力/日本スポーツ吹矢協会本部