肺活量アップも期待できる! 「呼吸筋のどトレ」で誤嚥を防ぐ

のどは「発声」「呼吸」「飲み込み」の役割を担う重要な器官です。しかし、年齢とともに全身の筋肉が衰えるように、のどの筋肉も衰えていきます。飲み込み力がおちて誤嚥性肺炎になる恐れがあります。のどを鍛えるにはどうすればよいか、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生に聞きました。


前の記事「飲み込み力アップ! 「発声のどトレ」でのどの筋力を鍛えましょう(3)」はこちら。

 

呼吸筋のどトレ

「咳」をするときに重要な呼吸筋を鍛えるトレーニング。肺活量アップも期待できます。

●肺に空気を行き渡らせる『腕伸ばしストレッチ』

【やり方】
1. 足を肩幅に開き、背すじを伸ばして立ちます。手を頭の後に組みながら、肺に空気を行き渡らせるよう鼻からゆっくり息を吸い込みます。

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2. 口からゆっくり息を吐き出しながら、腕を真上に上げて全身を伸ばします。このとき息に意識を向け、しっかり吐き切るようにします。

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*1日に行う回数:3~5回

<ポイント>
全身を伸ばすように行うストレッチ。肺の周りにある筋肉の動きを確認しながら、呼吸に意識を向けて行います。

 

胸の周りの筋肉を強化『胸壁のストレッチ』

【やり方】
1. 足を肩幅に開き、背すじを伸ばして立ちます。手を腰の後ろで組み、鼻から息を吸いながら頭を少し前に傾し両肩を前に閉じるように動かします。

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2. 口から息をゆっくり吐き出しながら、後ろに組んだ両手をもち上げ、両肩を斜め後ろに引っ張ります。このとき息は吐ききるようにします。

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*1日に行う回数3~5回

<ポイント>
胸壁は肺や心臓などの内臓を囲んでいる壁で、肋骨や肋間筋、筋肉などでできています。胸壁の筋肉は強化することができます。


飲み込みのどトレ

のど仏が上下にスムーズに動くように、のど仏に刺激を与えたり、周りの筋肉を鍛えます。

のど仏を上にもち上げる『あご持ち上げ体操』

【やり方】
両手の親指の腹をあごの下に当てます。下を向いて力いっぱいあごを引き、親指であごを押し戻し5秒間そのままの状態で静止します。

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*1日に行う回数 5~10回

<ポイント>
あごに当てた親指と下を向いたあごが押し合うとき、のど仏付近に力を入れます。のど仏が上がった状態にすること。

 
唾液も増える『舌出し体操』

【やり方】
1. 口を大きく開いて、舌を前に思いっきり出します。次に出した舌を口の中に引っ込めます。この動きを2~3回くり返します。

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2. 次に、舌先を前に出して大きく左右に動かします。舌の奥にある筋肉も動いていることを確認しながら、2~3回くり返します。

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*1日に行う回数 5~10回

<ポイント>
舌の筋肉のほかに、舌の奥の筋肉も鍛えられます。舌はできるだけ大きく動かすこと。

 
のどと口の筋肉を鍛える『イィー体操』

【やり方】
顔はまっすぐ正面を向き、口は横に開けます。「イィー」と声を出す感じで10秒間そのままの状態に。声を出しながら行ってもOKです。

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*1日に行う回数 5~10回

<ポイント>
のど仏を動かす筋肉を鍛えます。上記の「あご持ち上げ体操」と同時に行うとさらに効果が上がります。

 

次の記事「誤嚥性肺炎を予防できる栄養素とは? 肺炎予防のためのQ&A(5)」はこちら。

取材・文/松澤ゆかり・山川寿美恵

<教えてくれた人>
大谷義夫(おおたに・よしお)先生

池袋大谷クリニック院長。群馬大学医学部卒業。九段坂病院内科医長、東京医科歯科大学呼吸器内科医局長などを経て2009年より現職。著書は『65歳からの誤嚥性肺炎のケアと予防9割の人は持病では死なない!』(法研)など。

この記事は『毎日が発見』2018年3月号に掲載の情報です。

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