介護予防の第一歩は、利用者が楽しみをもって介護施設へ通うことです。日常の生活支援・機能訓練などを受けられる日帰り介護施設では、近年個性的なレクリエーションを取り入れた施設が増加中。介護サービスは"受ける"ものから、自分に合ったサービスを"選ぶ"時代へ。
今回はそんな個性派デイサービスからカジノ・料理・演劇といったレクリエーションを取り入れた施設をご紹介していきます。
日常生活支援や機能訓練などを行う日帰り介護施設、デイサービス。最近、料理や演劇など個性的なレクリエーションを交えた施設が増加中です。そのうちの一つ、「デイサービス ラスベガス」ではレクリエーションにカードや麻雀を取り入れ、利用者の笑顔があふれています。
「要介護度を上げないためには外出することが大切ですが、実際は施設へ行くのを嫌がる方も多くいらっしゃいます。だから自発的に来てもらえる施設を作りたいと思いました」とは、代表の森 薫さん。アメリカ・ラスベガスで高齢者がカジノをイキイキと楽しんでいる姿に感銘を受け、現在の施設を開きました。
「スポーツトレーナー監修の体操をしたら疑似通貨がもらえ、それを利用者が自ら考えて使います。日常でお金を使う機会が減るお年寄りには、疑似通貨を使うことは訓練になります。また手指を動かし、計算し考えるレクリエーションは、楽しみながら脳を活性化し、認知症予防にも役立つとされています」と森さん。
従来型のデイサービス同様、個別機能訓練や口腔ケアも行いますが、意欲的に通うため要介護度が改善した利用者も多いそうです。楽しみに通えることが介護予防への第一歩。本誌の読者に体験していただいたので、その様子をご覧ください。
<特徴1>体操をすると疑似通貨がもらえます!
全体運動に参加すると疑似通貨「ベガス」がもらえ、ゲームに挑戦できます。体操に意欲的に参加してもらうための工夫です。
運動に参加すると...
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「体操したので10,000ベガス差し上げます」とスタッフさん。
<特徴2>レクリエーションでカジノゲームが楽しめます
麻雀、カードゲームなどから、好きなゲームに参加。介護スタッフがカードゲームのディーラー役をし、利用者の会話や顔色など様子を見ます。
会話も楽しみながらゲームに参加!
全自動の麻雀や、パチンコやスロットの台も楽しめます
(パチンコやスロットは、換金はできません)。
<一日の主な流れ>
9:00 お迎え
健康チェック
全体運動(10分)
10:00 レクレーション
11:00 部分運動(10分)
12:00 昼食
口腔ケア
13:00 全体運動(10分)
レクリエーション
入浴(順次)
個別リハビリ(予約)
14:00 部分運動(5分)
レクリエーション
15:00 部分運動(5分)
レクリエーション
16:00 表彰、お送り
豪華送迎車は「デイサービス」の文字を入れない配慮。
全体運動ではスポーツトレーナー監修の体操を実施。
毎日ゲーム結果を集計。ボードに優勝者の記念写真が。
■デイサービス ラスベガス
"大人の社交場"をテーマに、一日過ごすことでリハビリになるようプログラムを設計。到着後健康状態をチェックし、体操やゲーム、食事や入浴などを実施。スタッフの制服など空間作りにもこだわっています。
住所:東京都港区東麻布1-25-3 第2富田ビル7F(事務局)
電話:03-6229-3533(共通お問合せ窓口)
※東京、神奈川など全国20店舗。要支援1~2、要介護1~5対応。
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取材・文/中沢文子 撮影/奥西淳二